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出番を待つU-17のマルチロール。DF布施克真(日大藤沢高)「学んだことを全部出し切りたい」

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U-17日本代表DF布施克真(日大藤沢高)

 U-17ワールドカップは第2戦を終え、18人いるフィールダーのうち17人までがピッチに立った。その中にあって唯一出場がないのはDF布施克真(日大藤沢高)だが、トレーニングでは「ここで少しでも成長するために」精力的なパフォーマンスを披露し続けている。

「もちろん出たい気持ちはあるし、出られなくて悔しいという気持ちもあります。でもやっぱり、世界大会の強度の高さ、質の高さをベンチからでも肌で感じられているのは本当にプラス。悔しいですけど、代表では学ぶことが本当にいっぱいあって、もし出番があったら、その学んだことを全部出し切りたいと思って準備しています」(布施)

 高校でボランチにコンバートされ、この代表では同ポジションに加え、サイドバックの候補でもある。左右両足からの精度の高いキックは大きな武器で、練習では利き足ではない左からの鋭いシュートも見せていた。

「ずっとイメージしているのは得点を取るところ。ボランチかサイドバックか、どこで出るかはわからないんですけど、出たら結果を残すというイメージはずっと持って練習しています。アシストでも何でも結果を残したいし、もしそれができなかったとしても、守備の部分などで自分ができる最大限のプレーを出し切りたいと思っています」(布施)

 代表に合流した当初、所属の日大藤沢高は全国高校サッカー選手権大会神奈川県予選の真っ最中。それにもかかわらず、快く送り出してくれた佐藤輝勝監督やチームメイトの心意気に応えたいという思いも抱きつつ、同時に不安もあった。

「(11日の)ポーランド戦を勝ってみんなで喜べたんですけど、自分はちょっとソワソワする部分があった」(布施)と正直に明かす。12日の決勝で日大藤沢が桐蔭学園高を破って出場権を確保したと伝わると、ホッと一安心。「本当に良かったです」と喜びつつ、あらためて代表で少しでも多くの収穫を持ち帰ることを誓うこととなった。

 そのために、第3戦で当たるU-17セネガル代表と戦うイメージもしっかり作っている。

「ボールを持っての推進力とか身体的な能力の高さは本当に感じるチーム。1対1で戦うところはもちろん大事なんですが、2対1を作ることとかも意識して、もし自分が出たら対応できるように準備しておきたい」(布施)

 献身性とタフネスに鋭いキック、そして幅広いポジションに対応できる戦術的な適応力の高さを評価されてメンバー入りしたマルチロールは、いつ出番が来ても良いようにしっかりと準備を続けていく。

(取材・文 川端暁彦)
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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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