beacon

パリ五輪世代の対戦相手だった一年半前の悔しさ…U-22日本代表“生き残り”に燃える山崎大地「ここで掴み取るか掴み取らないか」

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF山崎大地(広島)

 パリオリンピック出場を目指す一員として、ようやくスタートラインに立った。U-22日本代表は今年最後の活動として18日にIAIスタジアム日本平でU-22アルゼンチン代表と対戦する。DF山崎大地(広島)はアジア競技大会から2度目の招集。「出るチャンスがあれば、いつでもやれる準備はしている」と気を吐いた。

 アジア大会では4試合に先発、2試合は途中出場で全試合に出場した。対人守備ではアジア勢を跳ね返し、ビルドアップでも要所で好プレー。攻守の起点として後方からゲームを組み立てた。決勝では韓国に敗れて準優勝。悔しさの残る大会となったが、1か月後に再び日の丸を背負うことになった。

「決勝がうまくいかなかったので、またアピールする場をもらえたことに感謝して、残りの活動も少なく一日一日無駄にできない思いでやっています」(山崎)。2度目の招集だが、アジア大会は初招集メンバーが多く、今回の常連組メインのチームは初となる。「アジア大会のときと比べて判断のスピードが求められてくる」と毎日刺激を受けながら過ごしている。

 世代別代表としての経験は豊富だ。サンフレッチェ広島ジュニアユース時代の2015年にU-15日本代表に飛び級選出されると、17年にはU-17ワールドカップも経験。19年のAFC U-19選手権予選にも参戦した。だが、順天堂大に進学後は代表活動から遠ざかった。

 パリ五輪を目指す大岩剛監督体制は22年3月に発足した。同年5月には合宿が行われたが、すでに広島に内定していた山崎はU-21日本代表候補と対戦する全日本大学選抜のメンバーにいた。

 試合は全日本大学選抜がU-21日本代表候補を2-0で撃破。代表候補には自分と同じ大学生がいたこともあり、試合後には「正直『なんでおれじゃないのか』という思いはあった」と悔しさを露わにしていた。

 当時の思いを振り返り、「大学選抜でちょっと結果を残したり、試合にはずっと絡んでいるけど呼ばれなくて、もどかしさはあった」と語る。その悔しさが糧となり、今季から加入した広島での奮闘は続く。今月11日のJ1第32節・北海道コンサドーレ札幌戦ではリーグ戦初のフル出場。「自チームでも試合に出てこっちに来れたので、いいコンディションにある」と自信をのぞかせる。

 出場機会が少ないU-22日本代表の守備陣には、オーバーエイジ枠使用などの声も挙がる。限りなく少ない枠を争う戦いに、山崎は「またチャンスをもらえた。狙えるところまで来た」と燃える。「ここで掴み取るか掴み取らないか。あと少しのところまで来ているので、死に物狂いで掴み取れるように。自チームで出ることももちろんだけど、パリ五輪という目標は忘れずに。目をギラギラさせてアピールしたい」。遅れてきた時間を取り戻すためにも、全力を尽くすつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP