beacon

右SB菅原由勢がA代表初ゴール! トリックFK弾で“本命不在”キッカーに名乗り「いずれ武器になるように」

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF菅原由勢(AZ)

[11.21 W杯2次予選第2戦 日本 5-0 シリア ジッダ]

 日本代表は3-0で迎えた後半2分、ゴール左斜め前で獲得したFKをMF久保建英が足裏で動かすと、そこに走り込んだDF菅原由勢(AZ)が右足を一閃。矢のようなシュートをゴール右隅で叩き込んだ。菅原はこれが記念すべきA代表初ゴール。「僕自身の記憶に一生残ると思う。5-0のうちの1だけど、これまで支えてくれた家族や育ててくれた指導者も含め非常に大きなゴールになっていると思う。全ての方に感謝したい」と喜びを語った。

 試合前日の非公開練習後には「すんごいFK決めちゃったから」と報道陣に猛アピールし、「チャンスがあれば」とキッカーを志願していた菅原。ミックスゾーンに姿を現すと「有言実行でしたね」と振り返り、世代別代表でも共にプレーしていた久保とのトリックFKに至った舞台裏を明かした。

 菅原によると、発案者は久保だった。「『直接、蹴ってもいいね』という話もしていたけど、壁も距離もあった。壁じゃない選手が全然準備していなかったので、(久保が)『ずらしてからシュートでいけるんじゃない?』と。昨日FKを決めていたので、『俺、打っていい?』と話して」。

 盟友からのアシストで決めたA代表初ゴール。菅原は「よくアイデアを思いついたと思うし、実行できたと思う。タケも蹴りたい思いがあったと思うけど、それを尊重してくれた」と盟友の久保に感謝を口にしつつ、今後のキッカーにも「これからはフィフティフィフティですね。『俺、決めているから』って言えるので」と笑いまじりに意欲を示した。

 カタールW杯までの日本代表はセットプレーからの得点が少なく、2026年の北中米W杯までに乗り越えるべき課題。セットプレーコーチの招聘で“合わせる側”の工夫は進むものの、肝心のキッカーは特に右利きが本命不在となっている。第2次体制で台頭してきた菅原は所属先のAZでもプレースキッカーを務めており、有力候補。結果を出し続けることができればさらに頼もしい存在となる。

「(日本代表には)中村俊輔さんとか遠藤保仁さんとか素晴らしいプレースキッカーがいた。最近誰なのというところでこれといった選手はいなかったと思うし、名乗りを上げるというか、持っていることを示したいと思っていた」。そう力を込めた菅原は「まだまだ質は低いし練習は必要だと思うけど、いずれ武器になるようにしたい」と謙虚に成長を誓った。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP