[11.21 W杯2次予選第2戦 日本 5-0 シリア ジッダ]

　右サイドでも左サイドでも別格のクオリティーを発揮した。日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)は北中米ワールドカップアジア2次予選シリア戦で4アシストの大活躍。「自分でも決めたかったけど勝利に貢献できてよかった」とサラリと振り返ったが、森保ジャパンに代えの利かない存在であることをあらためて印象付けた。

「前半の最初はちょっと難しかったけど、何回かいい形があったしそのうち点が入るかなと」。立ち上がりからシリアの強固な守備ブロックに阻まれ、なかなかゴールを奪えない展開が続いていたが、背番号14はいたって冷静だった。

　まずは前半32分、DF菅原由勢の攻撃参加を絶妙なポジショニングでサポートすると、MF久保建英に優しくパス。すぐに次の動作へと移った久保の左足から値千金の先制ゴールが生まれた。

　1点を奪った後はシリアの守備ブロックに綻びが見え、次々に伊東が要所に顔を出した。まずは前半37分、DF伊藤洋輝からのクロスをヘディングで折り返し、FW上田綺世のゴールをアシスト。さらに同40分、久保のスルーパスに抜け出して鋭いグラウンダークロスを送り、またも上田の2点目をお膳立てした。

　試合後、上田は「トップスピードの中で質の高いクロスやドリブルができるのが一番(の長所)。トップスピードに近い中で精度が高いプレーができるというのが日本の武器になっていると思う」と称賛。「日本代表として良い崩しや形が作れて、そのフィニッシャーが僕だったというだけだと思う」とも謙虚に語っていたが、それを支えたのが伊東のクオリティーだった。

　後半途中からは左サイドに移ってプレー。すると後半37分には「右足が得意なので、だいぶ右足に頼っちゃうかな」という驚異のアウトサイドキックでクロスを送り、FW細谷真大のダメ押しゴールをアシストした。細谷はかつて伊東がプレーした柏レイソル所属。「柏の後輩なので初ゴールをアシストできてよかった」と笑みを浮かべた。

　MF三笘薫が負傷離脱、FW中村敬斗が負傷のため招集外で左サイドは本命不在の中、試合途中からのコンバートを試合前から伝えられていたという伊東。「メンバー的にもケガをしているし、左をやったことがないわけじゃなかったので」「多少の感覚のズレは久しぶりなのであったけど、サイドなので苦手意識なくできていると思う」。来年1〜2月のアジア杯に向けても、頼もしさをいっそう深める大活躍だった。

(取材・文　竹内達也)

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