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堂安ミドルを好セーブでアピール成功、“パリ五輪世代”GK野澤大志ブランドンがA代表初参加「すごく楽しかった」

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GK野澤大志ブランドンが初のA代表参加

 来夏のパリオリンピックを目指す世代が、新たにA代表の経験を積む。FC東京のU-22日本代表GK野澤大志ブランドンは28日、来年1月1日の「TOYO TIRES CUP 2024」に向けた日本代表の活動初日を終えた。「普段テレビとかで見ているような場で皆さんと一緒にできた。すごく新鮮で楽しかった」と笑顔を見せた。

 パリ五輪を目指す大岩剛監督体制では“A代表経由パリ五輪行き”というひとつの目標がある。すでに多くの選手がA代表に選出されており、今回もGK鈴木彩艶(シントトロイデン)、FW細谷真大(柏)が連続で招集された。そして、新たに“A代表経由”を実現させたのが野澤だ。

 FC東京の育成組織出身で2020シーズンにトップ昇格を果たすも試合には絡めず、翌シーズンから2年をいわてグルージャ盛岡で過ごした。23シーズンから再びFC東京に復帰。J1リーグでは10試合、ルヴァン杯では6試合に出場し、勝利に貢献した。U-22日本代表には候補として名を連ねていたが、今夏に待望の正規メンバー入り。そして今回、自信と経験を得たなかで初のA代表入りを実現させた。

 FC東京復帰から激動の一年となった。野澤は「個人としてはすごく変化が多い年。J1で先発で出れたことは自分にとって大きかった。さらに代表選出もされた。この一年が始まるときには、こんな風には描いていなかった」と招集への思いを語る。世代別代表とは大きく異なり、取材陣の数もファン・サポーターの数も大幅に増えた。「見られているんだなというのはすごく感じる」と率直な感想を語りながらも、「そこで重みやプレッシャーは感じていない」と初日を振り返った。

 それはプレーにも表れており、ミニゲームではMF堂安律の左足ミドルを鋭い反応ではじき飛ばすシーンも。PK練習でも好反応でストップするなど、実力をしっかりと発揮。森保一監督からは「どんどんチャレンジしてほしい」と声をかけられたという。初日から積極的にアピールしてみせた。

 一つひとつ掴んだ自信が成長の原動力となった。「自分が持っているものを100%出すことは簡単じゃない。だけど、持っているものを出すということが大事なんだと改めて思わされた」。この一年で飛躍した要因を自分なりに分析する。すべては来夏に控えるパリ五輪のためだ。

「オリンピックがある来年は、僕らの世代にとってかなり大事になってくる。まず(来年4月の)最終予選があるが、A代表を経験した選手としてチームに還元する。オリンピック世代がもっと上を向いて、レベルを上げていかなければいけない。それをプレーでも振る舞いでも表現できたらいい」。A代表という経由地でさらなる自信を得た。来年のパリ五輪をめぐる戦いに向けて、野澤は決意を新たにしていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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