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“ネズミ”除去手術のDF板倉滉が森保J復帰「もう問題なくいける」憲剛との再会にも笑み

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DF板倉滉(ボルシアMG)

 10月下旬に左足首の手術を受けたDF板倉滉(ボルシアMG)が28日、日本代表のトレーニングに合流し、元日のTOYO TIRES CUP・タイ代表戦やアジアカップ出場に向けて「もう問題なくいけます」と力強く宣言した。ブンデスリーガでは約2か月にわたり戦列を離脱しているが、復帰の準備が整いつつあるようだ。

 板倉は10月17日、日本代表の一員としてキリンチャレンジカップ・チュニジア戦(○2-0)で72分間プレーしたが、その後のブンデスリーガで出場なし。通称「ネズミ」と呼ばれる関節遊離体による左足首の痛みが大きく、同月下旬に除去手術を受けていた。

「今季が始まってずっと痛みを持ちながらやっていて、練習からあった。コンディションやキレが上がってこないなというのをやりながら感じていて、騙し騙しやっていた部分があった。さすがに手術なしでは厳しいなという状況まで来たので、それで(手術を)決断した」(板倉)

 当初はウインターブレイクまでの復帰を目指していたが、リハビリが難航。年内最終戦だった今月20日のフランクフルト戦も欠場し、公式戦復帰の機会がないまま元日のタイ戦やアジアカップを迎える形となった。それでも手術を受けたことで痛みはなくなった様子。板倉は「やっとスッキリした。気持ちよくサッカーに集中できているのでポジティブな手術だった」と好感触を口にした。

 日本代表合宿初日のトレーニングでもコンディションの良さを感じさせており、7対7+フリーマンのミニゲームでは出足の良いインターセプトや鋭い方向転換を伴うタックルを披露。練習後の感触についても「足の状態的にはすごくよくなっているのでこれからが楽しみ」「コンディションを上げることが大事だし、これからどんどん上がってくると思う」と自信をにじませた。

 日本代表のCBでは現在、大黒柱のDF冨安健洋(アーセナル)が負傷離脱中。板倉の復帰はポジティブな要素だが、なかなかベストメンバーが揃わない時期が続いている。それでも板倉は「誰と組んでも常に勝ち続けないといけない」と断言。「最近はチームとして勝つことができていて、結果としていい状況なので、誰が出ても同じようなパフォーマンスを出せるようにしないといけない」と代役とのコンビでも高い基準を持って戦っていく構えだ。

 そんな板倉だが、今回の日本代表活動でもう一つポジティブなことがある。A代表では初めてロールモデルコーチの中村憲剛氏がチームに帯同。川崎Fの育成組織時代から交流があり、トップチーム昇格後はプロの厳しさや姿勢を教えてくれた“師匠”の存在がモチベーションになっているようだ。

「嬉しいですね。僕自身、憲剛さんからいろいろ教わって今があると思っているので。たくさん怒られていたけど(笑)、怒るだけでなくケアをしてもらったり、常に面倒を見てもらっていたので、こうやって代表で会えたのは嬉しいです」

 川崎F時代には中村氏が主力組のゲームメーカー、板倉がサブ組のボランチとして直接マッチアップすることもあったという。

「憲剛さんのスタイル的に相手の嫌なところを突いてくるとか、ポジションの取り方とか、マークについていても全然ボールを取れなかった。ガツガツ行っても捕まえられなかった。『憲剛さん、後ろ見えてるんですか?』って聞いたこともあるんですけど、『お前が鼻息荒くプレス来てるからわかるんだよ』って(笑)」(板倉)

「こういう人がやっぱりサッカー分かってるんだなと思うし、それをフロンターレ1年目から感じていたので、そこで憲剛さんと一緒にプレーしていたのが今につながっていると思う」(板倉)。偉大な存在にも見守られながら、板倉は復帰戦への準備を着実に進めている。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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