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イラク戦前日会見で“ドーハの悲劇”問われた森保監督「選手たちは生まれてもいない」

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が18日、アジアカップグループリーグ第2節イラク戦の前日会見に出席し、同じカタールで立ち会った約30年前の“ドーハの悲劇”に言及した。指揮官は「1993年の経験は私自身、記憶に残っているところがある」としながらも、「仕事をしている中で自分の経験がよぎることはない」と断言した。

 日本代表は1993年10月28日、カタール・ドーハで行われたアメリカW杯最終予選最終戦でイラクと対戦。勝てばW杯出場という条件の中、2-1で迎えた後半アディショナルタイムのラストプレーに同点ゴールを献上し、史上初のW杯出場権を逃した。

 この出来事は“ドーハの悲劇”として語り継がれており、日本サッカーの歴史におけるターニングポイントとされてきた。森保監督はこの一戦にフル出場。一昨年末のW杯でもカタール凱旋が話題となっていたが、今回は代表監督として同地でのイラク戦を迎えるということで、国内外から注目が集まっていた。

 記者会見では海外メディアから“ドーハの悲劇”に関する質問が上がり、森保監督は「イラクとの対戦の中で1993年の経験は私自身、記憶に残っているところがあるが、今は選手としてではなく監督という立場で来ていて、仕事をしている中で自分の経験がよぎることはありません」と答えた。

 今回のアジア杯メンバーのうち、当時生まれていたのは1991年生まれのDF谷口彰悟、93年生まれのMF遠藤航とMF伊東純也のみ。指揮官は「(会見で)隣にいる板倉滉選手等々、選手たちは私が経験した時には生まれてもいない選手。すでに日本サッカーの発展の中で全てを克服し、世界で戦える国になっているという自信のもと戦ってくれていると思う」と話した。

 また今大会では最新の競技規則に従い、長いアディショナルタイムが取られているが、森保監督は「そこも含めてゲームマネジメントしていかないといけないと思っている」と指摘。「ベトナム戦も選手たちがアディショナルタイムをどう使うかということで、前半の逆転ゴールにつなげたり、最後に試合を締めくくるコントロールをしたり、私が経験した約30年前とは全く違う素晴らしいプレーをしてくれている」と選手たちへの信頼を語り、悲劇からの決別を印象づけた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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