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先輩GKとして鈴木彩艶への批判に反論する前川黛也「全然ミスでもない」「必要以上に言われ過ぎている」

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日本代表GK前川黛也

 イラク戦(●1-2)の敗戦から一夜明け、日本代表は先発11人と後半開始から出場したDF冨安健洋を除く14人でトレーニングを行った。

 初戦に続く2試合連続の2失点という結果を受け、21歳ながら今大会の守護神を任されているGK鈴木彩艶(シントトロイデン)にも批判の声が挙がっている。特にイラク戦の1失点目は、彩艶のパンチングが相手の前に飛んでそのままヘディングシュートを決められたこともあり、厳しい指摘もあるが、同じゴールキーパーのGK前川黛也(神戸)は「全然ミスでもない」と声を大きくした。

「誰が言っているか分からないけど、全然ミスでもないし、その前のところでの失い方とか、そこまで進入されたことが問題であって、もちろんキーパーはキーパーで修正しないといけないけど、そこは必要以上に言われ過ぎているのかなと思う」

 強い口調でそう反論したGK陣最年長の29歳は「そうやって外野が言うのは簡単。僕自身、代表や海外経験がない中で、あのアウェーの声援やプレッシャーの中、(鈴木)彩艶はビルドアップやリスクケアも安定していたし、彩艶が救っているところもたくさんあった。なのに一個で批判されるというのは、プロである以上仕方ないことかもしれないけど、そこは集中し過ぎなのかなと思う」と、自身より国際経験が豊富な後輩GKをかばった。

「あのプレッシャーの中で普通にプレーするだけでも大変なのに、しっかりボールにもチャレンジして、その結果、詰められた。もちろんキーパーとして他にどうしたらよかったのかというのは修正しないといけないけど、あの雰囲気の中でやるのは普通じゃないし、彩艶という選手の力強さはベンチから見ていても感じた」

 前半アディショナルタイムに2失点目を喫し、0-2でハーフタイムを迎えると、すぐさまピッチ上に出ていった前川が彩艶と並んで話し込む様子が見えた。敗戦直後にも「次に切り替えていこう」と隣で声をかけたそうで、「自信を持ってほしいし、すごく良いプレーも多かったので、外から見ていて良かったところだったり、もっとこういうところを味方と声をかけ合ってやっていこうと話した」と明かした前川。チームとして失点が続いている現状を受け、「キーパー全員が責任を背負って、キーパーチームで戦っていかないといけない」と強調した。

ハーフタイムにGK鈴木彩艶のもとに駆け寄るGK前川黛也

試合後もGK鈴木彩艶の隣で声をかけていた

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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