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今冬プレミア移籍のDF橋岡大樹「1試合1試合が人生を変えるチャンス」森保Jでも下剋上なるか

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DF橋岡大樹(ルートン・タウン)

 世界最高峰への挑戦権を掴んだ男が日本代表に帰ってきた。DF橋岡大樹は今冬、ベルギーのシントトロイデンからイングランドのルートン・タウンに完全移籍。2月下旬のFA杯で新天地デビューを飾ると、そこからプレミアリーグ3試合の出場経験を重ね、昨年10月以来の代表復帰を果たした。

 誰もが憧れるプレミアリーグの舞台だが、大きな野心を持って飛び込んだ。「ベルギーからプレミアに行くことができたのはものすごくでかいステップアップだと思うけど、プレミアに移籍するだけがゴールじゃない。ここで活躍してもう一つステップアップするのが僕の一つの目標」。新天地のルートン・タウンは今季、プレミアリーグに初昇格したクラブ。栄えあるオファーにも浮かれることはなかった。

 デビュー戦となったFA杯ではマンチェスター・シティと対戦し、初陣から世界王者の基準を知った。3点ビハインドで迎えた後半17分からピッチに立ち、リーグ屈指のドリブラーとして評価を高めるFWジェレミー・ドクとマッチアップ。結果的には2-6の大敗に終わったが、その経験は大きな手応えになったという。

「デビュー戦がシティだったので、世界最高のクラブと言っても過言ではないクラブとやって、自分の中ではものすごく刺激になったし、ここでもやっていかないといけないなと。やっていける自信もつけられたと思う」

 その後、橋岡の出番はカップ戦だけにとどまらず、3月2日のアストン・ビラ戦ではプレミアリーグデビュー。13日のボーンマス戦では初先発も経験した。複数失点に絡むほろ苦い経験となったが、自身の目指すべきところが明確になった。

「球際の強さ、試合でのインテンシティの高さはベルギーリーグとは全く違うし、攻守の切り替えが早い中で休む時間がない。90分間を通して、本当に90分間集中しないといけない。ものすごくタフなリーグだと思う」

「相手が強いぶん燃えるというのは僕の中であるし、1試合1試合が人生を変えられるチャンスだと思う。相手がすごい選手の中で全部抑えちゃえばこいつすごいなと思われる、それくらいのリーグだと思っているので、そこでもっと自分のパフォーマンスが出せればと思う」

 代表では現状、右SBのレギュラー争いでDF菅原由勢やDF毎熊晟矢に続く立場。それでもベルギーから一気にプレミアリーグ移籍を果たしたクラブキャリアと同様、一つ一つの活動が下剋上を実現するための機会となる。

「僕の特徴である対人の部分はもっともっとこのチームでも出していかないといけないし、自分の強みを前面に出しつつ、代表で求められていることをやらないといけない。難しいところではあるけど、自チームでレベルアップしつつ、代表に来た時に『毎回コイツ成長しているな』と思わせるくらいの感覚でやっていけば代表でももっともっと活躍できるのかなと思う」

 所属先では3バックでのプレーが続いているが、異なるポジションでの起用にも不安なし。「どこのポジションもできたほうがいいし、どこのポジションも高いクオリティでできるのがすごく貴重。そういうふうになりたいと思うし、自分の特徴でもある対人の強さはどこでやっても活きると思う」。持ち味を発揮する準備はできている。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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