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北朝鮮に大苦戦の森保J、田中碧の先制弾死守しW杯2次予選突破に王手

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MF田中碧(デュッセルドルフ)が先制ゴール

[3.21 W杯2次予選 日本 1-0 北朝鮮 国立]

 日本代表は21日、北中米ワールドカップアジア2次予選第3戦で北朝鮮と対戦し、1-0で勝利した。前半2分にMF田中碧(デュッセルドルフ)のゴールで先制した日本だったが、前半を1点のみで終えると、後半は相手のロングボール攻勢に大苦戦。それでもなんとか勝ち切り、3連勝で2次予選突破に王手をかけた。

 ベスト8敗退に終わったアジア杯後最初の国際Aマッチ。日本は4-2-3-1のシステムを採用し、GKにはアジア杯全試合出場の鈴木彩艶を起用した。4バックは左からDF伊藤洋輝、DF町田浩樹、DF板倉滉、DF菅原由勢。ダブルボランチはMF守田英正と田中が組み、2列目は左からFW前田大然、MF南野拓実、MF堂安律、1トップはFW上田綺世が務めた。[スタメン&布陣]

 試合は前半2分、早々に動いた。日本は左サイドで前田が猛烈なプレッシングを仕掛け、ボールを奪い切ると、田中のクロス攻撃から堂安が頭で折り返す。これは相手にカバーされたが、二次攻撃から再び堂安が右を突破し、折り返しのパスを送ると、田中が走り込んで反応。右足でゴール右隅に流し込み、先制点を奪った。

 田中は元日の国際親善試合タイ戦に続く出場2試合連続ゴールでA代表通算8ゴール目。通算23試合目のボランチとしては驚異的な得点力を示している。日本は前半7分、敵陣でのボールロストからカウンター攻撃を受けるも、クロスはニアの町田がブロック。その後も奪われ方が悪い場面こそあったが、守備陣が冷静に対処し続けた。

 日本は前半11分、菅原と堂安で右サイドを攻略すると、守田の左足シュートがゴール左をかすめる。同13分には、前田の浮き球パスから堂安のボレーシュートが相手GKを強襲。同18分には菅原の右CKに町田がヘディングで惜しいシュートを放つなど、立て続けにチャンスを作った。

 前半29分にはペナルティエリア内でボールを受けた堂安のシュートが相手GKに止められると、パントキックから北朝鮮のカウンターを受ける。1対1で町田が振り切られかけたが、相手の連係ミスに助けられ、なんとかリカバリー。その後は再び攻めに転じ、同43分には南野のボール奪取からカウンターを仕掛け、スルーパスに反応した堂安が1対1の絶好機を迎えたが、GKのスーパーセーブに阻まれた。

 そのまま1-0で後半へ。すると開始2分、日本は大ピンチを迎える。GKのロングキックに対し、町田が競り合えずに後ろにそらすと、板倉も空中戦で競り負け、FWハン・グァンソンがボレーシュート。これは鈴木がかすかに触ってクロスバーに当てたが、跳ね返りをMFペク・チョンソンに沈められた。だが、ここで主審はホイッスル。ゴール直前に伊藤が倒された場面でファウルを取り、命拾いとなった。

 その後も日本は攻め込まれる時間帯が続き、逆転負けを喫したアジア杯準々決勝イラン戦を思い起こさせる嫌な流れに。すると森保一監督は後半13分、守田に代わってMF遠藤航を投入。遠藤がアンカー、田中と南野がインサイドハーフの配置を取る4-1-4-1にシステムを変えた。

 その後もロングボールを蹴られ続け、一方的に押し込まれる日本。ボールを握ってもなかなか有効な攻撃を繰り出せず、停滞した時間が続いた。後半29分、南野と堂安が下がり、DF谷口彰悟とFW浅野拓磨が入り、システムを3-4-2-1に変更。また同じタイミングで相手の激しいタックルを受けた菅原に代わり、DF橋岡大樹も入った。

 その後はようやく試合が安定し、日本がボールを握れる時間が増加。後半35分には伊藤のスルーパスから上田が惜しいシュートを放った。同36分には上田に代わって4年3か月ぶりのA代表復帰を果たしたFW小川航基がピッチへ。そのままタイムアップを迎え、日本が苦しみながらも3連勝を果たした。

 日本代表は26日、敵地で北朝鮮との再戦を行い、勝てば2次予選突破が決まる。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア2次予選特集

竹内達也
Text by 竹内達也

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