[2.29 アルガルベ杯B組 日本2-1ノルウェー ベラビスタ]

　アルガルベ杯が29日にポルトガルで開幕した。グループリーグB組の日本女子代表(なでしこジャパン)は、FIFAランキング12位のノルウェー女子代表と対戦。前半15分に先制を許すも前半終了間際にFW永里優季が同点弾。後半20分にMF川澄奈穂美が逆転ゴールを決め、日本が2-1で勝利した。ロンドン五輪イヤーの2012年初戦で白星を獲得。今後は3月2日にデンマーク、同5日にはドイツW杯決勝戦で対戦したアメリカと対戦する。

　昨年9月11日に行われたロンドン五輪アジア最終予選・最終節の中国戦(1-0)以来、171日ぶりの国際Aマッチ。ロンドン五輪本大会が行われる2012年最初の試合となった。なでしこジャパンのシステムは、世界一に輝いたドイツW杯、ロンドン五輪最終予選と同様に4-4-2を採用。GKは海堀あゆみ。右から近賀ゆかり、熊谷紗希、宇津木瑠美、鮫島彩。故障の影響でCB岩清水梓はベンチスタートとなり、宇津木が先発した。ダブルボランチを故障明けの澤穂希と阪口夢穂が組み、2列目は右に大野忍、左に主将の宮間あや。2トップは永里優と川澄奈穂美が務めた。

　立ち上がりから思うように試合を進めることができず。ファーストシュートが生まれたのは前半10分になってからだった。大野がドリブルで駆け上がり、右足シュート。ようやくファーストシュートを放つも、これはポスト左へ外れた。その後、チャンスをつくることはできずに時間は進む。

　すると前半15分、ミドルシュートを許すと、これが失点につながってしまった。PA手前左でボールを受けたFWヘーロブセンが熊谷をかわし、右足を振りぬく。海堀が必死に手を伸ばすも、ボールは右サイドネットへ突き刺さり、ノルウェーが先制に成功した。日本が1点を追う展開になる。

　前半30分を過ぎてからは日本が立て続けにチャンスを演出。同33分、右サイドの宮間が前線へスルーパス。これを永里がスルーし、DFの裏へ澤が抜け出す。しかし、オフサイドの判定。つながれば1点というプレーだったが、シュートまで持ち込めなかった。同35分には、PA正面の阪口が縦パスをヒールで落とし、拾った川澄がダイレクトで狙うが、GKの好セーブに止められた。その後はスコアは動かず。このまま前半は終了するかと思われた。

　しかし、前半終了間際のロスタイム1分。左サイドから仕掛けた宮間が左クロスを入れる。ファーサイドへ走り込んだ永里がヘディングシュート。放ったボールは永里の右足に当たるも執念で押し込み、日本が同点に追いつく。1-1で前半を折り返した。

　後半に入っても、日本は決定的な場面をつくりだすことはできない。時差などの影響からか疲労がみえ、連携したプレーをみせることができず。なかなかパスもつながらなかった。逆にセカンドボールを拾われると、ピンチを迎える。あわや失点の場面も海堀が好セーブをみせ、なんとか凌いだ。1-1で迎えた後半18分、ノルウェーは一気に3人の選手を交代。2度目のリードを奪おうと前線へフレッシュな選手を入れた。

　だが、ここで日本がラッキーな形で逆転に成功する。後半20分、阪口のパスを受けた川澄がPA外から迷いなく右足を振りぬく。相手選手の腹部に当たり、コースが変わったボールはゴール右へ吸い込まれた。日本が川澄のゴールで2-1と逆転した。リードした同23分には、永里、澤、近賀に代わって、FW高瀬愛実、DF田中明日菜、DF有吉佐織がピッチへ送られた。今試合が代表デビューとなった有吉は近賀に代わって、右SBの位置へ入った。

　リードを奪った日本は、ここから果敢に攻めにかかった。左サイドを起点に立て続けにチャンスを演出。鮫島がオーバーラップをみせ、宮間と連動した動きをみせる。後半30分過ぎには前線のポジションを変更。高瀬を1トップに置き、2列目には右から川澄、大野、宮間が並んだ。さらに同38分には2人の選手を交代。大野と阪口に代えて、MF伊藤香菜子、FW京川舞をピッチへ送る。18歳FWの京川は代表デビューを飾った。後半41分にはオーバーラップした鮫島が左サイドから切れ込み、自らシュート。わずかにクロスバー上方へ外れた。そのまま試合は終了。日本女子代表が2-1の逆転勝利を飾った。

　試合後のインタビューで佐々木則夫監督は「日本は寒いということですが、寒いゲームをみせてしまいました」と苦笑い。「自分たちで難しいパスやコントロールをしてしまった。相手の動きをよく見たボールの動かし方ができなかった」と課題を挙げた。また、宮間主将は「内容で課題はあったがこの大会の初戦を勝ちで終われたことはデカい」と前を向いた。次戦は2日に行われ、日本女子代表はデンマークと対戦する。