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9か月ぶり復帰の本田、先発起用の可能性も

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 満を持しての招集、満を持しての復帰だ。MF本田圭佑(CSKAモスクワ)が、右膝負傷のために途中離脱した昨年9月以来、約9か月ぶりにザックジャパンにその名を連ねた。アゼルバイジャン戦に出場すれば昨年8月に札幌ドームで行われた韓国との親善試合以来の復帰となる。

「昨年8月を最後に手元で見ていないので、まずは合宿で彼のコンディションをチェックしたい。状態次第ではアゼルバイジャン戦で使ってみたいと思う」

 アルベルト・ザッケローニ監督は前向きに言った。昨年9月に右膝を手術した本田は、3月に復帰した際に今度は左太腿を打撲。それも意外に重いけがで、人生初の長期離脱をよぎなくされていた。

 その状況を受けたザッケローニ監督は、「6月のW杯最終予選は3試合あるので、最初の試合に使えなくても最後の方に使えるかもしれない」と、当初は早期復帰には慎重な対応をしていたが、本田が今月13日のロシアリーグ今季最終節のルビン戦で、昨年8月20日のトム戦以来となる267日ぶり、今季8点目のゴールを決めたことで状況は一変した。

 W杯3次予選を2連敗で終え、閉塞感の漂っていたザックジャパンにとって、6月の最終予選3連戦を前に親善試合で本田の状況をチェックできるのは朗報だ。しかも、今まではFW登録だったが、今回はMF登録。指揮官は今回あらためて、「彼が一番能力を発揮できるのは中盤とFWのつなぎ役のところ」と明言しており、先発するにしても途中出場にしても、アゼルバイジャン戦では4-2-3-1のトップ下で出場することが濃厚だ。

  15日に帰国していた本田自身もこの日、関東近郊で開催されている欧州組対象の自主トレに参加し、「90分プレーしても支障はないと思う」と意欲を示している。

「今回は、選手のコンディションチェックや、フレッシュな選手の能力の見極めと同時に、チームとしてのスピードと精度を上げることも重点的にやっていきたい」とザッケローニ。目的の3番目に挙げたことは6月の3連戦に直結してくること。本田の復調具合が日本の命運に大きく関わってくるだけに、アゼルバイジャン戦は非常に重要な一戦となりそうだ。

(取材・文 矢内由美子)

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