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結果にこだわるF東京・MF田邉「今野さんを抜いて決めたい気持ちはある」

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 FC東京には、ケガ人が続出している。特に2列目は梶山陽平、石川直宏、大竹洋平、羽生直剛と4人が戦列を離れる緊急事態だ。ポポヴィッチ監督は「これまで試合に出られなかった選手にとってはチャンスだ」と言うが、そのチャンスを与えられているのが、MF田邉草民だろう。

 今シーズン、開幕前のキャンプでは左SBで起用されるなど、分厚い選手層に阻まれていた。しかし、第15節のC大阪戦で10試合ぶりにスタメンで起用されると、2アシストと結果を出して2-0の勝利に貢献した。続く柏戦(0-1)、磐田戦(1-3)にもスタメン出場したが、チームは連敗を喫しており、その責任を強く感じている。

 7日に行われるG大阪戦に向けて、ケガ人の多いチームは11対11の練習ができていない。それでも、8対8のゲームでトップ下に入ってプレーした田邉は「あそこに入ったら、アイディアとかゴールに向かうプレーが求められている。でも、自分を出しやすい位置なので頑張りたいと思います」と意気込みを語った。

 徐々に手応えは感じている。2アシストしたC大阪戦後は「アシストはしましたが、キレはなかった」と表情は晴れなかったが、3試合連続でスタメン出場したことで、感覚も戻ってきた。

「磐田戦の後半は、やりたいようにやれましたね。これまではあまりスタメンで出ていなかったので、慣れていかないといけない。これからは欲を出してやっていきたいと思います。ずっと出ていたら、今のプレーでは物足りないと思うので、ゴールに絡むプレーをしたいです」

 より結果を求めて臨む一戦。対戦相手のG大阪について「苦労しているなと思います。でも、実力はあると思う。油断できない強いチーム」と印象を語った田邉は、同時に苦手な存在がいることも明かす。昨季までF東京に所属していたDF今野泰幸、だ。2列目で出場すれば、マッチアップする機会もあるだろう。だが、「全然やりやすくはないですね。すごいDFなので」と、かつてのチームメイトを称賛する。

「今野さんを抜いて決めたい気持ちはありますが、練習でも抜いたことがないので…。弱点? ありますかね、あの人に…。抜いて点を取りたいですよ。でも、弱点とかありますかね…。あ、股とかは弱点かも。僕はしたことがないですけど、一昨年くらいに(磐田の)前田選手に股抜きされて、入れられていた気がします。でも、それ以外は分からないですね。最強のイメージなので。今野さんの所を外して、それ以外から狙おうと思います」

 試合が行われる7日は、七夕だ。短冊に何を書くか? そう聞かれた田邉は「僕が出て連敗しているので『勝つ! 連敗脱出!!』ですね」と答えた。「練習でも抜いたことがない」今野を擁すG大阪に勝つことができれば、22歳のMFが得られるものも大きいはずだ。チャンスを生かして、定位置をつかみとれるか。上位争いに踏みとどまれるか正念場のチーム同様、田邉にとっても勝負の一戦となる。

(取材・文 河合 拓)

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