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4試合ぶりのスタメンで先制点のF東京 MF田邉「ラッキーでした」

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[9.1 J1第24節 F東京 3-1 横浜FM 味スタ]

 試合の流れを大きく変えたのが、先制点だった。きっかけは横浜F・マリノスのDF中澤佑二のミスだった。最終ラインで中澤が横パスを、FC東京のFWルーカスに渡してしまう。その背後で、このシーンを見ていたMF田邉草民は、祈っていたと明かす。

「ルーコンがボールを持った時に、そのまま決めてくれと思っていました」

 それでも、足だけは止めなかった。ゴール前に走り込むと、ルーカスのシュートはGK飯倉大樹に防がれ、混戦から田邉の下に転がってきた。『ゴールへの嗅覚を見せた?』と聞かれた田邉は、笑いながら否定した。

「あれは嗅覚というよりも、僕の前にボールがこぼれて来て…。ラッキーでした(笑)。前節、システムを変えて広島に勝っていましたが、なかなか連勝できていなかったので、あのゴールでチームに勢いが出たのなら良かったです」

 実際、横浜FMのMF富澤清太郎は「失点はするものなのに、自分たちのメンタルコントロールができなかった」と振り返る。大黒柱のミスから与えた先制点は、横浜FMにとって大きなダメージとなった。

 その意味で、この先制点の意義は大きい。それでも、約3か月ぶりとなる連勝に大きく貢献した田邉には、満足した様子はない。

「最近は、あまり試合に出られていなかったので、もう少し出られるように頑張るだけです」

 この試合でも、MF羽生直剛が復帰して14試合ぶりに途中出場した。再びポジション争いが激しくなる中で、一つのゴールに満足している場合ではないという危機感を強く滲ませた。

(取材・文 河合拓)

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