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F東京入団の三田、厳しいポジション争いを自覚

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 MF三田啓貴(4年=F東京U-18)の獲得には、複数のJクラブが興味を示していた。実際、春に行われるJリーグのキャンプでは、明大の先輩MF山田大記らの所属するジュビロ磐田の鹿児島キャンプにも参加した。だが三田が選択したのは、「小さい頃からずっと見てきた」と話すFC東京だった。

 今回、明大からJリーガーとなる4選手のうち、3選手がFC東京U-18出身の選手。07年のJリーグユース選手権で優勝するなど結果を残した。だがトップチームとの兼ね合いもあり、同期の昇格は0。「ユースチームにはすごく自信を持っていたが、自分もそうだが誰も上がれなかったのは悔しかった」と当時の思いを語る。だが今となっては、「先輩に山田さんと小林(裕紀=磐田)さんがいてレベルの高い中でやれたことは良かった。良いプレーは真似したりだとかここに来て学べることは多かった」と回り道ではなかったと振り返る。

 一方でその間もFC東京への思いも衰えることはなかった。「小さい時からプレーしてきたというのもあるが、小さいころから憧れてきたクラブ。サポーターもすごく好き」と今は憧れのクラブに再び入団できる喜びの方が強い。

 三田は今季、強化指定選手としてFC東京に参加している。すでに8月18日の大宮戦でリーグ戦デビューを果たすなど、クラブの期待の高さもうかがえる。ランコ・ポポヴィッチ監督からは「攻撃のアイディアであったり、視野の広さであったりはいいものを持っている」と評価を受けたという三田。ただ課題も指摘されたようで、「守備のところでボールを奪いきることが重要だと言われている」と話す。

 憧れの選手をMF梶山陽平と語るほど、ボランチへのこだわりを持っている。だが「ボランチ、トップ下、サイド。どこでもいいので、今は試合に出て活躍することしか考えていない。SBで出ろと言われてもいい」と厳しいレギュラー争いは自覚している。

「FC東京は攻撃的な戦術が多いし、1タッチ2タッチで崩すサッカー。そういうプレーは自分は得意なのでやっていけると思う」。誰もが評価する才能。4年間で着実に成長した姿を披露すれば、必ずや1年目から活躍できるはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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