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中2日の浦和、仙台に追い付かれるも得失点差で2位に浮上

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[5.29 J1第9節 浦和1-1仙台 埼玉]

 J1は29日にAFCチャンピオンズリーグのため延期されていた第9節の2試合を行い、埼玉スタジアム2002で浦和レッズベガルタ仙台が対戦した。中3日の仙台に対し、中2日の浦和は、粘り強い守りを見せて仙台の攻撃を防ぐ。迎えた後半34分には、MF原口元気がPA内で倒されてPKを獲得する。これをDF阿部勇樹が決めて浦和が先制する。仙台も後半43分にMFヘベルチのシュートをGK加藤順大が弾いたところに詰めたMF太田吉彰が、同点ゴールを決めた。このまま試合は1-1で終了し、両チーム勝ち点1を分け合っている。

 リーグ戦3連勝中の浦和は、前節の柏戦(6-2)からスタメンを一人変更した。柏戦で負傷したMF平川忠亮に代えて、MF関口訓充をリーグ戦で初めてスタメン起用した。一方の仙台は出場停止のMF角田誠を含め、前節の清水戦(0-2)から3選手を変更した。前節途中出場のDF石川直樹が1ゴールを決めた7節川崎F戦以来、6試合ぶりにスタメン出場。また、ACLの江蘇舜天戦以来、ケガで欠場していたDF菅井直樹もリーグ戦5試合ぶりに先発に復帰、MF梁勇基も3試合ぶりにスタメン入りした。
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 2試合連続6得点中と、驚異的な得点力を示している浦和だが、この日はなかなか攻撃の形をつくれない。逆に仙台はFWウィルソンを中心に、浦和ゴールへ迫っていく。前半12分にはPA外からウィルソンが左足でゴールを狙ったが、シュートはクロスバーを越えた。

 浦和も前節の柏戦で2得点と好調な柏木が、好機をつくる。前半15分に左サイドから最終ラインの裏にスルーパスを通す。ボールはDFを越えてMF原口元気に通ったが、原口はボールをコントロールしきれなかった。同23分にも柏木はFW興梠慎三にスルーパスを通す。興梠はDFをかわしてシュートに持ち込もうとしたが、GK林卓人に抑えられた。

 時間の経過とともに、仙台がボールを保持する時間が長くなる。前半29分には左右にボールを展開し、右サイドのDF菅井直樹からゴール前にクロスが入った。これをFW赤嶺真吾がヘッドで合わせたが、ボールは右に逸れて行った。

 対する浦和も前線へ長いボールを通してチャンスをつくる。前半33分にはMF梅崎司の縦パスを受けた興梠が、DFを振り切ってパス。これは柏木がオフサイドを取られたが、直後にはPAのすぐ外で、MF阿部勇樹が倒されてFKを得る。これをDF槙野智章が狙ったが、シュートは枠を大きく越えて行った。

 前半41分には仙台が決定機をつくる。中盤でボールを奪ったMF富田晋伍が左サイドにボールを展開。ウィルソンがゴール前に挙げたクロスをGK加藤順大が右腕で弾く。これをPA内で回収した赤嶺が、すぐにシュートしたが、ゴールマウスを捉えることはできなかった。その後も左サイドに流れたウィルソンを起点に左サイドからゴールに迫った仙台だが、浦和もゴール前で阿部を中心に体を張った守りを見せる。

 ピンチを凌いだ浦和は、前半終了間際にDF那須大亮の縦パスを、興梠が絶妙なポストプレーで柏木に預ける。柏木もテンポ良く右サイドのスペースにパス。ここに走り込んだ関口がゴール前にクロスを入れるとDFがクリアーしたボールを梅崎がシュートしたが、こちらも枠にボールを飛ばせない。結局、0-0のまま前半を折り返した。

 後半に入って、最初にチャンスを迎えたのは浦和だった。2分、DF森脇良太が倒されたFKを得ると、柏木が直接FKからゴールを狙う。しかし、シュートはわずかにクロスバーの上を越えて行った。仙台も9分にはショートカウンターからチャンスをつくる。MF太田吉彰のクロスをウィルソンがヘッドで合わせたが、枠を捉えられなかった。

 後半10分に浦和は梅崎に代えて、MFマルシオ・リシャルデスを投入する。マルシオがトップ下に入り、柏木がボランチに下がり、阿部が最終ラインの右へ。さらに森脇が右WBに入り、関口が左WBに回った。アタッキングサードでボールを受けるマルシオは、交代直後に森脇のシュートチャンスをつくるなど、攻撃を活性した。

 仙台も14分に反撃を見せる。ボールを持った赤嶺が右の太田に展開。太田のクロスをPA内に走り込んだ梁がダイレクトで合わせたが、GK加藤の好セーブに阻まれた。同17分にも仙台は太田の落しをPA内で受けたウィルソンに、絶好のシュートチャンスが訪れた。しかし、DFに当たったボールは再度ウィルソンに当たり、ゴールラインを割ってしまう。

 押し込まれていた浦和も、後半19分にマルシオ・リシャルデスのミドルシュートを機に反撃に出る。同20分には右サイドからのクロスが左に流れると、原口が落としたボールを受けた関口がクロス気味のボールをゴール前に送る。しかし、これはGK林に防がれた。

 後半26分に両チームのベンチが動く。浦和は鈴木を下げてDF坪井慶介を起用、対する仙台は菅井に代えてDF田村直也をピッチに送り出した。同27分には仙台がチャンスをつくる。左サイドからDF蜂須賀孝治が右足で入れたクロスを、ファーサイドのウィルソンがヘッドで折り返す。これを赤嶺が合わせたが、シュートはクロスバーを越えて行った。同29分に仙台は蜂須賀を下げて、DF和田拓也を起用した。

 仙台が押し込む時間帯が続いたが、後半33分には浦和が速攻を見せる。マルシオ・リシャルデスがドリブルでボールを運び、PA内で相手DFのギャップに入った原口にパス。ターンした原口は田村に倒されて、PKを獲得する。これを阿部が決めて、浦和が1点をリードした。

 後半39分に仙台は松下に代えてMFへベルチを起用し、交代カードを使い切った。そのヘベルチが後半43分に放ったミドルシュートは、GK加藤に弾かれたが、こぼれ球に詰めた太田がGKの股を抜くシュートを決めて同点に追い付いた。

 浦和は後半45分に興梠に代えてFW阪野豊史をピッチに送り出し、交代カードを使い切った。後半ロスタイムも攻め込む仙台は、PA内でボールを拾った田村がゴールマウスにシュートを飛ばしたが、GK加藤にセーブされた。浦和も左から柏木が入れたボールに阪野が飛び込んだが、シュートを枠に飛ばすことはできずに、試合は1-1で終了。浦和は4連勝には届かなかったが、勝ち点で横浜FMと並び、得失点差で2位に浮上した。対する仙台は勝ち点を17に伸ばし、10位をキープして中断期間を迎えることとなった。

(取材・文 河合拓)

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