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ポストを叩いたシュートを悔やむFW家長「僕が決めていたら変わっていた」

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[5.8 J1第1ステージ第11節 大宮 0-1 浦和 NACK]

 大宮アルディージャは、プラン通りに戦えていた。2年ぶりとなったさいたまダービー、浦和レッズをホームに迎えた大宮は、相手に攻撃を加速させるスペースを与えずにボールを奪ってからはカウンターを仕掛けた。

 その中でも最前線から相手のボールを追いかけるFW家長昭博の気迫はスタンドにも伝わった。「(守備は)相手のビルドアップを封じることがポイントでした。僕と(江坂)任の役割がそれでしたし、それができれば後ろがラクになると思ったので、そういう狙いでやっていました」と、自身のプレーを振り返る。

 攻撃面でも普段は足元でボールを受けることが多い家長が裏を狙い、MF泉澤仁との呼吸が合わない場面も見られた。その家長に最大のチャンスが訪れたのは前半23分だった。良い形でボールを奪うと、MF横谷繁から縦パスが出る。これを受けた家長がGK西川周作と1対1になりシュートを放ったが、ボールは左ポストを叩く。

 決定機を生かせなかった大宮は、前半44分に自陣でのミスからボールを失い、先制点を決められた。そして後半はシュートを1本も打つことができないまま、試合終了のホイッスルを聞いた。

「こういうゲームは一つのミスで勝負が決まる。僕に関して言うと、あそこで決められなかったこと。自分自身、悔しいですし、足りない部分だと思います」と、家長は決定機を生かせなかった自分を責めた。

 浦和のペトロヴィッチ監督は試合後の会見で「勝利したものの不満が残る内容だった」と、力を出し切れなかったことを強調していた。相手のやりたいことをやらせていなかったからこそ、家長の悔しさは増幅する。

 両チームの差を問われたときも、「僕が決めていたら変わっていた。守備は前半からそんなに決定機をつくられていなかったし、よくやってくれたと思う。僕のシュートが決まっていたら(結果は)変わっていたと思う」と、繰り返した。

 ダービーに敗れた大宮の選手たちは、試合後、ゴール裏のサポーターからブーイングを浴びた。「試合の内容、カテゴリー関係なく、プロは試合があれば勝たなければならない。結果が出なければ、選手としてブーイングされても仕方ない。内容、状況、相手関係なく、負けた試合に関してはブーイングされても仕方ない」。相手との接触で唇を腫らした家長は、悔しさを滲ませながらミックスゾーンを後にした。

(取材・文 河合拓)
●[J1]第1ステージ第11節 スコア速報

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