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異例の強化トップ兼任も“J3降格危機”…大宮・佐野社長が急遽会見、監督交代は「あらゆる選択肢の一つ」

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大宮アルディージャの佐野秀彦代表取締役社長兼フットボール本部長

[4.9 J2第9節 大宮1-3甲府 NACK]

 J2リーグ唯一の開幕9試合未勝利が続いている大宮アルディージャの佐野秀彦代表取締役社長兼フットボール本部長がJ2第9節ヴァンフォーレ甲府戦後、NACK5スタジアム大宮で急遽記者会見を行い、霜田正浩監督の交代について「あらゆる選択肢の一つだとは考えている」とした上で、「まずはこの後、クラブの中でしっかりと話をしていきたい」と述べた。

 佐野社長は甲府戦を控えた7日、公式サイトを通じてファン・サポーターに向けた声明を発表。「次節のホーム甲府戦にむけて、チームとして変化を加える部分とブレずに突き進む部分を、強化部・監督・コーチ・スタッフ・選手で意識統一を行い、チームに関わる一人一人が強い責任と自覚をもって戦うことを私を含めて改めて確認を行いました」と強調していたが、勝負の一戦に1-3で敗れた。

 佐野社長は記者会見で「次の甲府戦が大切になる。そこに向けてクラブ一丸となってもう一度ということをメッセージで書かせていただいたが、結果が出なかったことを重く受け止めている」と釈明。サポーターからは監督交代を求める声も上がっているというが、報道陣からの質問には「これからクラブに戻っていろんな話をしようと思っている。そういう話も含めて出る可能性は当然ある」としつつも明言は避けた。

 大宮では昨年5月の前フットボール本部長解任後、クラブトップの佐野社長が強化責任者を兼務する異例の人事体制が敷かれている。また同じタイミングで強化部長(当時は代行職)に就任した秋元利幸氏も強化畑の出身ではなく、記者会見では報道陣から強化責任者の経験不足をただす質問が多く上がった。

 佐野社長によると、現在の強化体制は「強化のスキルという面では経験的には浅かったのは認識しているが、サッカー分野ではそれぞれがしっかりとした経験がある」という判断によるもの。「強化部組織はクラブの心臓部だと感じている」と強調しつつ、「その心臓部が去年のシーズン始まってからなかなか結果を出せず、いろいろな課題があるという認識の中で体制を変えた背景がある」と経緯を振り返った。

 一方、その体制によってもたらされたチーム編成が今季の停滞を招いているとみられる。シーズン開幕前には「目指すサッカーの中で必要なスキル、ノウハウ、経験を積んだ選手たちを集められたという認識があった」という佐野社長だが、この日の会見では「この時点でこのような結果になっているので、その部分は大きな課題だと思っている」と反省の弁を語った。

 なお、7日に公式サイトで発表した声明では、自身が兼務しているフットボール本部長の招聘を「急務」として示唆していた佐野社長。会見では契約時期について「相手がいらっしゃることなので」と明言せず、「私自身の思いで伝えるなら“急務”と書かせていただいたので、今日でも明日でもというつもりでいる。一日でも早く伝えられるようにしたい」と展望を述べた。

(取材・文 竹内達也)
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