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大分19歳MF弓場将輝が堂々のJ2初先発…緊張から救った“大先輩”の前日LINE「こういう経験は一生に一度しかない」

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MF弓場将輝

[4.30 J2第13節 千葉 0-3 大分 フクアリ]

 J2リーグ戦初先発を前に大緊張に襲われていた19歳を支えたのは、同じ大分トリニータU-18で育った“大先輩”からのLINEだった。大車輪の働きで完勝劇に貢献したMF弓場将輝は試合後、16歳年上のMF梅崎司からのメッセージを明かしつつ「本当にうれしかった」と頬をゆるめた。

 敵地でのジェフユナイテッド千葉戦に3-0の完勝を収めた大分トリニータ。10か月ぶりの先発復帰でJ2初ゴールを決めたDF高畑奎汰、初の左サイドハーフ起用で直接FKを沈めたMF下田北斗、途中出場からリーグ戦初ゴールを決めたMF藤本一輝ら多くの選手が輝きを放った中、ひときわ大きな存在感を見せていたのがリーグ戦初先発の弓場だった。

 ルヴァン杯では着実に出場機会を確保し、23日の鹿島戦(●0-3)でも格上の相手に奮闘。試合後には下平隆宏監督から名指しで称えられていた。また指揮官の「ここからリーグ戦に何人絡んでくるかなという点で収穫はあった」という言葉どおり、27日のJ2前節の栃木戦(△0-0)では後半43分からの出場でJ2デビューを果たした。

 そうして迎えたJ2リーグ初先発。ルヴァン杯でJ1クラブ相手に渡り合っていた19歳だが、リーグ戦の重みは「全然違った」という。

 しかし、大先輩からのメッセージが救いとなった。「昨日、大先輩の梅さんから『お前はいい選手だから自信持ってやれ。こういう経験は一生に一度しかできないから、思い切ってチャレンジして、失敗したら取り返せばいい』というLINEが来て、本当にうれしかった」。梅崎は弓場と同じ大分U-18出身のベテラン。昨季途中に大分へ13年半ぶりに復帰したが、16歳年下の後輩の緊張を気遣っていたようだ。

 そんな頼れるサポートに弓場も燃えないはずはなかった。試合が始まっても「ちょっと緊張はあったり、前を向くところだったりで怖かったところはあった」と不安はあったようだが、持ち味の対人能力を立ち上がりから発揮。実績のあるボランチが中盤に並ぶ中、“デュエル”はシーズン開幕前から意識してきたことだった。

「今季が始まる前から(下田)北斗くんがいて、こばゆくん(MF小林裕紀)がいて、エドゥアルド・ネットが新しく加わるということで、その3人にないのはデュエルの強さだと思っていた。チームがうまく回るために自分がやらないといけないと認識している。みんな守備意識はあるけど、自分が率先して引っ張っていくくらいの強い気持ちでやっている」

 またルヴァン杯でも共にプレーしていたMFエドゥアルド・ネットとの役割分担も絶妙。ボールを扱うのが上手いネットをフォローすべく、攻守の勘所に常に顔を出し続けた。弓場は「デュエルの部分でピッチの中で一番に出せたかなと思う」「ファウルを多くしてしまったのはあったけど、ピンチになる前に防いだりすることができた手応えがあった」と前向きに振り返った。

 試合後にはチームメートからも励ましの声をかけられたという。「高木駿くん、ミサくん(DF三竿雄斗)たちが『良かったぞ!』って抱きつきに来てくれたのでうれしかった」。そんな弓場の目標はいつか欧州の舞台に飛び立ち、世界有数のビッグクラブに挑むこと。「海外で活躍して、プレミアかラ・リーガの名門クラブを倒したい。世界に出て名門クラブにジャイキリしたい」。大きな夢を抱く19歳がこの日、大きな一歩を踏み出した。

(取材・文 竹内達也)
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