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完成度高まるエースの輝き…圧巻2発の鹿島FW上田綺世「ゴールのバリエーションや種類はFWの価値に直結する」

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FW上田綺世

[5.3 J1第11節 鹿島 3-1 磐田 カシマ]

 日本代表FW上田綺世が2ゴールの大活躍を見せ、鹿島アントラーズが首位を守った。追加点が欲しい時間帯での1点目、チームが苦しくなりつつあった状況での2点目——。強烈にゴールを射抜いたパンチ力もさることながら、決め切ったシチュエーションを考えても圧巻だった。

 まずは1-0で迎えた前半35分、FW鈴木優磨からの浮き球パスに絶妙なタイミングで抜け出した。

「優磨くんが来たのが見えたので、スペースを空ける意味でもプルアウェーを始めて、優磨くんが前を向いたタイミングでダイアゴナル(斜め走り)しようというイメージがあった」。最終ラインとの駆け引きでは「目の前のDFより早く動き出してしまったので、自分の中で若干オフサイドの可能性もあるなと思った」というが、背後に感じていたDFとのタイミングはドンピシャ。最後は左足でゴール左隅を撃ち抜いた。

 続いては2-1と1点差に迫られた後半33分、相手の優勢が続いていた苦しい時間帯だった。FWアルトゥール・カイキからのシンプルな縦パスが足元に入ると、強引にターンしながら左へドリブル。3人を引き連れながら角度のないところに自ら持ち込み、難しい体制からまたしても左足を振り抜いた。

「前半から背後は狙いつつ、相手が3バックだったので、なかなか前にインターセプトを狙えないのは分かっていた。前を向いたらミドルを狙おうという意識だったが、なかなかそういう場面がなかった。前を向いたらシュートというところの“完結性”を意識していたので、前を向けたらシュートまでのイメージはできていた」。たった一人で相手の守備ブロックをぶち破るスーパーゴールを突き刺した。

「シュートレンジの広さは自分の武器だと思っているし、25m以内なら振れると思う。ああやってペナの中で前を向けたら自信はある」。

 シュートを打つからには、決める自信はあった。ただ、それ以上にチームの勝利への思いがあった。「失点の流れもゲームの流れも良くなかったし、それを払拭できるのがFW。それがFWの一つの仕事というか、FWにできることをまた一つできた」。相棒の鈴木がベンチに下がっていた中、まさにエースとしての大役を果たす一撃だった。

 上田にとって、理想的なストライカーはあらゆる場面でゴールを奪える存在だ。「どんな環境でも、どんな試合でも、どんな時間でもゴールを決めるのがベストなFW」。得点が欲しい時に奪い切ったこの日の2ゴールは、そうした理想に近づいていることを示す証となった。

 また駆け引きからの裏抜け、守備ブロックを貫く単独突破、そしていずれも逆足の左と、ゴールパターンの多彩さも光った。

「ゴールのバリエーションや種類はFWの価値に直結する。取れない形があるだけでFWにとっては欠陥なので、ヘディングも、左も、右も、抜け出しも、ドリブルも、ミドルも、いろんな形でゴールを取れるというのは武器にしていかないといけない」。日々完成度を増す23歳には経験豊富なMF遠藤保仁も「ゴールに向かってプレーする選手なので、敵として脅威に感じている。得点パターンも多いので対戦するときは厄介な選手」と称賛しきりだった。

 日々能力を開花させ続けるストライカー。その原動力は鹿島にタイトルをもたらしたいというモチベーションだ。

 この日の勝利で、鹿島は首位をキープ。1試合未消化の川崎Fとの勝ち点差を5に広げたが、「あくまでもチャレンジャーなので首位という感覚は別にない」と意に介さない。あくまでも目指すは、シーズン終了時の頂点。上田は「目の前の一戦に勝つこと、前回出た課題を修正してそれを表現する・体現することの連続だと思う。順位ではなく次の試合に勝つことが大事」とすでに前を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
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