beacon

故意性認められず「懲罰を課すことは難しい」との意見も…野々村チェアマンが名古屋への罰金200万円を説明

このエントリーをはてなブックマークに追加

 Jリーグは30日、名古屋グランパスに罰金200万円とけん責の処分を下したと発表した。名古屋は7月16日に開催予定だったJ1第22節の川崎フロンターレ戦において、管轄保健所から3日間の活動停止の指導を受けたという虚偽の報告をJリーグに行い、同試合の中止を決定させていた。

 Jリーグでは現状のコロナ禍において、エントリー資格を有する選手が13人(ただしGK1人を含む)に満たないことが明らかであるとチェアマンが判断した場合にのみ、試合を中止するという規則を設けている。

 名古屋は川崎F戦を控えてチーム内に感染者が多発した中、管轄保健所から指導を受けたわけではなく、現状の対応方針を是認されたものにすぎないにもかかわらず、活動停止の指導を受けたとJリーグ側に報告。エントリー資格を有する選手がいないものと誤信させ、その結果試合の中止が決定されていた。

 こうした事実について、Jリーグ側は「公式試合は予め一部のJクラブのみが不利な日程にならないよう調整して日程が組まれており、特別の事情がない限り変更され、または中止されないことが原則」とした上で「各Jクラブは公式試合の日程遵守義務を負っているところ、虚偽報告により安易に日程遵守義務を回避したとの疑念を他のJクラブ、サポーター等に抱かれかねない事態を招いたことは、Jリーグの信用を大きく毀損するものである」と重く受け止めた。

 一方、Jリーグの調査では、名古屋の虚偽報告は「故意に行ったとは認められない」と判断された。報告を行う前、名古屋が保健所側に対してチーム活動停止の方針を示したところ、保健所が異議を唱えず、これを前提に感染拡大防止に関する指導を行っていたためだ。またその後の調査の結果、名古屋の陽性者、濃厚接触者、怪我人を除外すると、もともとエントリー資格を有する選手が13人以下だったことも客観的に明らかとなっていた。

 こうした状況を受け、Jリーグ裁定委員会は量刑を決定。同日、記者会見を行った野々村芳和チェアマンによると、司法の専門家からは「結果として中止の判断が変わらなかったのに懲罰を課すことは難しい」という意見も出たという。それでも最終的には「試合開催の可否が軽んじられたことが大問題」と判断。罰金200万円が「この事実認定の中で課せる最大限の数字だった」と明かした。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2022シーズンJリーグ特集ページ
●DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP