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横浜FMが3年ぶりJリーグ制覇!! 過密日程のW杯イヤーで「誰が出てもマリノス」結実

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FW西村拓真が決勝ゴール

[11.5 J1第34節 神戸 1-3 横浜FM ノエスタ]

 J1リーグは5日、最終第34節を各地で一斉開催し、横浜F・マリノスが3年ぶり5度目のリーグ優勝を果たした。敵地でヴィッセル神戸と対戦し、FWエウベル、FW西村拓真、FW仲川輝人のゴールにより3-1で勝利。選手を入れ替えながらもリーグ最多70得点、最少タイ35失点の結果を残した安定した戦いぶりが実り、W杯の影響で過密日程を強いられた厳しいシーズンの頂点に立った。

 横浜FMは勝てば優勝決定のJ1最終節。引き分けに終わっても、2位の川崎Fが10点差以上で勝利しなければ優勝という圧倒的優位な状況でノエビアスタジアム神戸に乗り込んだ。神戸はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16で敗れ、アジア制覇への夢を断たれた因縁の相手。3試合ぶりの白星を挙げた前節の浦和戦(○4-1)と同じ先発メンバーで挑んだ。

 一方の神戸はシーズン中盤まで残留争いを繰り広げていたが、9月中旬以降の6連勝ですでに残留を確定。前節では2位の川崎Fに1-2で惜敗を喫したが、勢いを持ってホーム最終節に臨んだ。先発は川崎F戦から1人変更し、DF山川哲史に代わってDF初瀬亮が出場。カタールW杯のメンバーからまさかの落選となったFW大迫勇也も先発した。[スタメン&布陣]

 試合は序盤こそ神戸が押し込んだが、徐々に横浜FMのペースに。すると前半7分、さっそく試合が動いた。横浜FMはセットプレーの二次攻撃からDF岩田智輝が積極的にミドルシュートを狙うと、GK坪井湧也が弾いたこぼれ球にMF水沼宏太が反応。良い体勢では打ち切れなかったが、最後は坪井が掴みかけたボールをFWアンデルソン・ロペスがゴールに押し込んだ。

 ところがここでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の助言により試合が中断。岩田のシュートの時点で水沼がオフサイドポジションにいたようにも思われたが、約5分間に及ぶチェックの末に焦点となったのはロペスのシュートの場面。中村太主審がピッチ脇モニターでオン・フィールド・レビューを行った結果、ロペスが坪井に対するファウルがあったとして得点は認められなかった。最終結果までの間、試合は約7分間にわたって中断した。

 それでも前半26分、横浜FMが今度こそ先制に成功した。右サイドの細かいパスワークで相手のプレッシャーを制し、水沼がやや低い位置からクロスボールを供給。戻りながらの対応となった神戸DF菊池流帆のクリアが中途半端な形でファーに流れると、そこにエウベルが走り込み、焦って飛び出す形となった坪井の頭上を越すヘディングシュートを流し込んだ。

 ところが神戸も譲らない。VARチェックによる試合中断で7分間のアディショナルタイムが取られると、同3分に試合を振り出しに戻した。右サイドを攻め上がったDF酒井高徳が右足でクロスを上げると見せかけて切り返し、左足でゴール前に放り込むと、これに反応したのはFW武藤嘉紀。ニアサイドに流れながら巧みなヘディングシュートを突き刺した。

 試合は1-1でハーフタイムへ。川崎FはFC東京に1-0リードで試合を折り返しており、このまま終われば横浜FMの優勝という状況となった。それでも後半はDF小林友希に代わってDFマテウス・トゥーレルを入れた神戸のペースでスタート。同4分には右サイドを攻め上がったMF大崎玲央の折り返しを大迫がフリーで受け、右足で惜しいシュートも放った。

 しかし後半8分、次の得点も横浜FMに入った。敵陣左サイドでFKを獲得し、水沼が果敢にシュートを狙うと、これを坪井がファンブル。こぼれ球をFW西村拓真が落ち着いて押し込んだ。ビハインドとなった神戸は同18分、MF小林祐希に代わってMFアンドレス・イニエスタを入れ、ボール保持で反撃を狙った。

 それでも後半29分、横浜FMは自陣からのクリアボールをA・ロペスが頭でそらし、右サイドを水沼が抜け出すと、折り返しのボールに途中出場FW仲川輝人が反応。ワンタッチで押し込んでリードを2点に広げた。横浜FMサポーターからは「横浜にシャーレを」の大合唱。優勝に向けて大きく近づいた。

 その後は神戸がカウンター攻撃を仕掛ける場面もあったが、危ないシーンを作られることなくタイムアップ。横浜FMが最終節の白星で3年ぶりのリーグ制覇を決めた。シーズンを通して豊富な選手層を活かして戦った横浜FMにおいて、J1リーグ戦34試合のうち24試合分にあたる2160分のプレータイムを上回ったのは高丘、岩田の2人のみ(川崎Fは6人)。「誰が出てもマリノス」を信念にW杯イヤーの過密日程を勝ち抜き、V奪還を成し遂げた。

(取材・文 竹内達也)
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データ提供:Opta
※大会の公式記録と異なる場合があります

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