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秋田は今季初の複数失点で敗戦も…10人追撃弾に吉田監督「粘りに粘った、信じ合ったゴール」

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吉田謙監督

[4.12 J2第9節 東京V 2-1 秋田 味スタ]

 ここまでの8試合でわずか2失点で4位に立っていたブラウブリッツ秋田が、今季初の複数失点で敗れた。2020年の就任1年目でJ2昇格に導き、4年目で躍進を続けている吉田謙監督は試合後会見で「何が足りなかったのか自分に問うて、チーム全員で戦っていきたいと思います」と力強く語った。

 前半は秋田らしいペース。4-4-2の強固な守備ブロックにより、東京Vの今季リーグ最多13得点の攻撃陣を封じ込め、ロングボールとカウンターからシュートチャンスも作った。0-0には終わったものの、指揮官には「自分達の距離感で、秋田の信じた距離感で助け合ってプレーしていたと思う」と手応えがあった。

 ところが後半6分、得意としてきた空中戦で屈した。右サイドで寄せ切れずにフリーでクロスを上げられ、DF河野貴志がゴール前で競り負けると、落ちたボールにも詰められずに失点。吉田監督は「良いボールを上げさせない、競り勝つ、こぼれを全て拾う、その三つのうちの一つでもできていれば失点はなかった」と課題を指摘した。

 それでも指揮官はすぐに言葉を続けた。「最後まで諦めずにボールに食らいつく、その気持ちを植え付けられなかった自分のミスだと思う」。後半19分にはセットプレーから2失点目を喫し、今季初の複数失点を許したが、最後の追い上げを見せた選手たちのことも称えた。

 後半44分にはMF吉田伊吹が足を痛めてプレーを続けられず、交代枠を使い切っていたため10人で戦う形となったが、直後のセットプレーでDF飯尾竜太朗が一矢報いるゴールを奪取。指揮官は「10人になっても熱量が変わらず相手を圧倒できた。それは秋田にしかできないこと、それが1点という結果につながった。素晴らしい、粘りに粘った、信じ合ったゴールだったと思う」と熱弁した。

 さらにアディショナルタイムにはGK圍謙太朗もゴール前に上げて同点を狙った秋田。「リスクイコール挑戦でもある。挑戦を続けて、気づくこと、自分の意志でリスクを冒すこと、それが人として強くなることだと思う。選手を信じて全員でゴールを目指す、それを選手たちは最後までやってくれたと思う」。追いつくことはできなかったものの、選手たちの姿勢を称えた吉田監督は「チームの力で、人の力で勝ち切れるチームをこれからも選手と共に目指したい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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