[5.10 J1第10節 浦和 0-2 鳥栖 埼玉]

　果敢な一撃でアジア王者の牙城を破った。今季初のベンチスタートとなったサガン鳥栖MF長沼洋一は0-0で迎えた後半25分、相手のクリアをペナルティアーク付近で拾うと、ファーストタッチで持ち出して左足一閃。強烈なシュートをゴール左隅に突き刺し、3試合ぶり白星をもたらす決勝点を挙げた。

　利き足ではない左足だったが、迷わずに振り抜いた。「シュートチャンスが数試合なかった。シュートという選択肢が出たという点で、思い切ってプレーできたことが良かった」。ボールの回転もコースも完璧と言えるシュートだったが、「イメージは咄嗟に出たけど、グラウンドが良かった」と謙虚に振り返った。

　開幕節から出場停止を除く全試合に先発していたが、前の試合から中2日の連戦を受け、この日は後半11分からの出場。それでも「リーグ戦では途中出場は初めてだったけど、途中から入ってくる選手が流れを変えたり、さらに勢いをつけたりというのはどのチームも大事。横浜FM戦ではそれでやられることもあったので、そこを意識はしていた」と求められた仕事を全うした。

　これで今季3ゴール目。ウイング起用の期待に応え、すでに自身のキャリアハイだ。「正直、自分では分析できていない」と驚きながらも「たくさん点を取りたいと思って今シーズンに臨んでいたし、ウイングバックよりウイングのほうがより攻撃的になれるし、そこは意識してやっている」と長沼。アジア王者を破った一撃で勢いをつけ、さらなる量産体制に入れるか。

(取材・文　竹内達也)

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