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“アジア王者”初陣は完封負け…代役主将の浦和MF岩尾憲「これが現実」

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サポーターからはJリーグ制覇に向けた横断幕も出された

[5.10 J1第10節 浦和 0-2 鳥栖 埼玉]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制した4日後、アジア王者としてJリーグに帰ってきた浦和レッズの初陣は0-2の完封負けに終わった。ACL前から続いていた連続無敗は「13試合」でストップ。負傷欠場したDF酒井宏樹に代わってキャプテンマークを巻いたMF岩尾憲は「これが現実です。それだけです」と厳しい表情で取材エリアに立った。

 ACL決勝では近年のアジアを牽引してきたアルヒラルとのホームアンドアウェーの激闘を経て、5大会ぶり3回目のアジア制覇を成し遂げた浦和。次は2006年以来の悲願のJ1リーグ制覇に向けて再スタートを切ったが、アジア王者撃破に燃えるサガン鳥栖に苦しい結果を突きつけられた。

 ACLの厳しい戦いの疲労も感じさせた一戦。それでも岩尾は「人間なのでそれぞれがいろんな準備している中で、それぞれに思っていることや感じることはそれぞれにあると思うけど、大事なのは105×68mのピッチの中で勝つために何ができるかということ以外に僕らにできることはない。言い訳をすればいくらでもできるが、その部分で敗れたという事実から誰も目を背けることはできない」と力を込めた。

「周りからいろんな見方をされると思うが、僕たちは当事者なので、どういうふうに準備して、どういうふうに試合に勝つか、自分たちがどうあり続けなければいけないかが問われた1試合だっただけに非常に残念だし、(酒井)宏樹が試合に出られない中で勝ち点を積み重ねられなかったことも残念。そこは腕章を任されている身として申し訳ない気持ちもある。この結果を受け止めて、できなかったことをしっかり改善していく必要があると思う」(岩尾)

 強度の高いACL決勝から疲労も残っていた中、立ち上がりから試合を優位に進めてはいた。しかし、前半のビッグチャンスを活かすことができず、後半には不用意なボールロスト絡みで2失点。内容にはポジティブな要素も多くあったようが、J1優勝争いを考えると勝ち点0という結果は重く残った。

「もちろん全てが悪かったとも思わないし、自分たちらしさを出せた時間もあった。ただ前半で決めきれるシーン、我々にチャンスがあったところで一刺しできなかったことが最後まで尾を引いた形になったし、Jリーグは甘くないのでピンチもどこかで迎えるだろうという中でそこを二つしっかり相手に持っていかれた」

 勝負どころをモノにできなかった一戦を経て「改めて自分たちが横綱相撲をできるチームじゃないことは明らかになった」と現実を受け止めた岩尾。「この苦い薬を自分たちがどう活かすかが最も重要だと思う。今日は残念な気持ちだし、自分自身も納得できない感情と苛立ちと複雑な思いもあるけど、この気持ちを忘れずにしっかり持ち帰って、次の試合で爆発させたい」となんとか前を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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