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A代表初招集の“気負い”乗り越えた広島MF川村拓夢「京都戦のゴールで吹っ切れた」

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サンフレッチェ広島MF川村拓夢

[6.11 J1第17節 川崎F 1-0 広島 等々力]

 日本代表初招集が発表されて約3週間、相手チームからの警戒を一身に受けながらJリーグを戦ってきたサンフレッチェ広島MF川村拓夢が12日から代表チームに合流する。ドイツ代表で豊富な指導経験を持つミヒャエル・スキッベ監督は第17節・川崎F戦後の記者会見で「彼に望むところはずる賢く、勇敢にプレーしてほしい。Jリーグで示してきたことを森保さんに見てもらえればと思う」と期待を語った。

 日本代表は6月の国際Aマッチウィークでエルサルバドル(15日、豊田ス)、ペルー(20日、パナスタ)と対戦。代表メンバーは通常、活動直前の週中に発表されるのが通例だが、今回は欧州シーズンオフの活動となるため欧州組のコンディション調整に配慮し、大幅に早い5月25日に発表された。その結果、Jリーグ組にとっては発表から3週間にわたってJリーグを戦うという異例のスケジュールとなっていた。

「代表選手」として臨むJリーグでは、自然と相手チームからの警戒も集まる。それも単に相手のマークに苦しめられるというだけでなく、周囲の目線が変わることで重圧も大きくのしかかるものだ。

 とくに初招集の選手にはその傾向が顕著。今季はボランチとシャドーの複数ポジションでブレイクを果たし、23歳で初めてリストに名を連ねた川村も例外ではなく、5月31日の浦和戦後に「代表に選ばれた中でどうしても気負いすぎているというか、最近自分のプレーができなくなっている」と葛藤を明かしていた。

 それでも川村は気負いを乗り越え、代表合流にこぎつけた。前節の京都戦で後半アディショナルタイムに見事な独走ドリブルからダメ押しゴールを決め切ると、続く川崎F戦でも絶え間ないペナルティエリア内への走り込みで攻撃を牽引。この日は勝利にこそ手が届かなかったが、「自分のプレー」と言えるようなアクションは最後の最後まで続けていた。

「僕のプレーをやるだけだと思った。京都戦の最後のゴールで吹っ切れたと思う」。自らの手でリズムを掴み取り、初めてのA代表活動へ。川村は「フル代表で海外の選手とやれるという機会はなかなかない。僕のサッカー人生ですごく大きな1週間になると思うので楽しみたい」と前向きに挑んでいくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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