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浦和の激戦区“左SB”で戦う22歳…今季初先発の大畑歩夢が好アシスト「チャンスもらったら結果残したい」

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DF大畑歩夢

[6.28 J1第12節延期分 浦和 4-1 湘南 埼玉]

 22歳の左サイドバックがポテンシャルの高さをあらためて示した。浦和レッズDF大畑歩夢が今季リーグ戦初先発。5バックを敷いてサイドのスペースを消そうとしてきた湘南の守備をものともしない躍動感のあるプレーで、4試合ぶりの勝利に貢献した。

 鮮やかなトラップで興梠慎三の先制点をアシストしたのは前半20分だ。MF岩尾憲のロングフィードに反応し、左サイドで相手DFの裏を突く動き出し。左足で完璧なトラップをしてさらに加速し、PA内の左から中央へ折り返した。ここにベストタイミングで走り込んだ興梠がダイレクトで流し込んだ。

「自分が思っているよりいいトラップができた。後は冷静に中を見て流し込むだけだった。裏を取るというのは、練習から全員がやってきたこと。今日は(酒井)宏樹くんと前へ出ていこうと話していた。後ろは(アレクサンダー)ショルツやマリウス(ホイブラーテン)がいる。あの2人なら止めてくれるのでそこは任せた」

 大畑ははにかむようにそう言い、チーム全体の意識が「前」へ向いていたことを強調した。

 サガン鳥栖から浦和に移籍加入して2年目。今季の左SBは明本考浩、荻原拓也に大畑を合わせて左利きが3人おり、超激戦区となっている。その中で、負傷もあった大畑は昨季と比べて出場機会が大幅に減少。前節までの出場は5試合、合計のプレータイムはわずか37分だった。

 今回の先発は、前節の川崎F戦で明本と荻原が負傷したことがきっかけではあるが、出場のチャンスが巡ってきてすぐに90分間フル出場、1アシストしたことの価値は大きい。

 大畑自身は「正直、練習でも自分は息が上がっている場面が多かったので、大丈夫かと心配が大きかった。(フル出場は)自分自身も驚いているところがある。60分、70分くらいで足がつるのかなと思っていた」と言うが、指揮官に好印象を与えたのは間違いないだろう。

「ケガの選手が戻ってきた時にどうなるかは分からないけど、チャンスをもらった時には結果を残したい」と大畑。謙虚な言葉の向こうに意欲を秘め、虎視眈々と出番を狙う日々が続いていく。

(取材・文 矢内由美子)

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