beacon

選手権V以来の国立で3か月ぶり復帰戦…町田MF宇野禅斗「色々なことに感謝しないといけない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

FC町田ゼルビアのMF宇野禅斗

[7.9 J2第25節 町田2-2東京V 国立]

 J2首位決戦というビッグマッチで、FC町田ゼルビアのMF宇野禅斗が3か月半ぶりの公式戦復帰を果たした。舞台は1年半前に全国高校サッカー選手権の頂点に立った懐かしの新国立競技場。当時は感染予防のため静寂に包まれていたスタンドには声援が戻り、自身のプロ入り後では最多となる38402人の大観衆が詰めかけていた中、「あの時以上に町田のファン・サポーターの声が届いていた」と喜びを胸にピッチに立った。

 右第五中足骨疲労骨折による長いリハビリを乗り越えた宇野に出番が巡ってきたのは、2-0から1点を返された直後の後半32分だった。「常に準備はしていた中でどこかで必ず声がかかると思っていた。チーム状況も良いわけではない時間帯だったので、自分の良さを発揮する気持ちでいた」。まずはチームを安定させるべく、ピッチに送り込まれた。

 公式戦出場は3月26日のJ2第6節いわき戦以来3か月半ぶり。リハビリからの復帰後は「練習試合もなかったし、ゲーム形式のトレーニングに混ざることもほぼなくメンバー選んでいただいたので、結構ぶっつけ本番だった」との状態だったというが、今季から指導を受けている黒田剛監督は青森山田高時代からの間柄とあり、「やることは明確にあったし、自分にできることは理解していた」と自信を持ってピッチに入った。

 それでもチームは後半38分、なかなか戦況を押し返せない中でFW染野唯月に2点目を許し、同点に追いつかれた。「自分が出る前に失点して、悪い流れで自分が入った中、交代選手で流れを変える勢いを持っていこうと思ったけど、失点してしまったことにはすごく責任感がある」。そのまま試合は終わって2-2のドロー。宇野は「チームを勝利に導けなかったことが反省点」と唇をかんだ。

 またこの日は、群馬で行われた高円宮杯プレミアリーグ・前橋育英高戦を終えたばかりの青森山田高の主力選手たちがスタンドで試合を観戦していた。宇野は「後輩たちに自分達の背中を見て、プロを意識しながら今年1年を戦ってほしい気持ちもあるし、後輩たちに勝ちを見せられなかったことを悔しく思う」と述べ、彼らに良い結果を見せられなかったことを悔やんだ。

 とはいえ、長い離脱期間を経て実戦復帰に至ったことは前向きな要素だ。「怪我を治しきれず苦しい時間を過ごしたけど、こういう舞台で復帰戦を迎えられたことは色々なことに感謝しないといけない。ここまで携わっていただいた方全てに感謝したい」(宇野)。その感謝はこれからピッチの上で表現していくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ

TOP