[7.15 J1第21節 横浜FM 0-1 川崎F 日産ス]

　今季初ゴールは激戦ダービーの決着をつける得点となった。0-0で迎えた後半アディショナルタイム4分過ぎ、DF車屋紳太郎がDF大南拓磨の折り返しに反応。体ごとボールをゴールに押し込んだ。試合後のフラッシュインタビューで「内容はよくなかったですけど、勝ち切ることができた」と喜びを口にした。

　川崎フロンターレは横浜F・マリノスとの死闘を制した。“BIG神奈川ダービー”と銘打たれた対戦は、序盤から一進一退の攻防が続く。しかし互いにゴールを割ることはできず、そのまま90分は過ぎていった。

　スコアレスのまま後半アディショナルタイムも過ぎ、残り1分となったところで試合は大きく動く。MF瀬川祐輔がPA手前からPA右に鋭いパス。反応した大南が折り返す。「拓磨なら絶対に上げてくれると思って、最後信じて走りました」。飛び込んできたのは車屋だった。

「本当は役割的には戻って、リスクバックをしないといけなかった」。守備の要はそれでも最前線に走り込んだ。その理由は現在の順位にある。ダービーで敗れた横浜FMはいまだ首位に立つが、川崎Fは9位から6位に浮上。「きょう勝たないと優勝は厳しいなと思っていた」。頂点を目指すためには、絶対に勝ち点3を手にしなくてはいけなかった。

　得点後には歓喜の雄たけび。そして、仲間と喜びを分かち合った。しかし試合後のミックスゾーンに、車屋は姿を見せなかった。右もも裏を痛めており、これから怪我の具合を確認するという。

　それでも試合終了直後のフラッシュインタビューでは「自分自身ああいうのは初めてだった」と得点シーンを振り返った。「どうリアクションしていいかわからずに…でも本当によかったと思います」。はにかみつつも、勝利の喜びを噛み締めていた。

(取材・文　石川祐介)

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