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川崎Fが総力戦の“BIG神奈川ダービー”を制す! 首位・横浜FMのGK一森セーブ連発も…後半ATに車屋が体ごと突っ込む決勝ゴール

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川崎Fがダービーを制す

[7.15 J1第21節 横浜FM 0-1 川崎F 日産ス]

 J1リーグは15日に第21節を行った。横浜F・マリノス川崎フロンターレの対戦は、川崎Fが1-0で勝利。DF車屋紳太郎が後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決めた。

 “BIG神奈川ダービー”と銘打たれた近年のJリーグをけん引する2クラブの対戦。首位・横浜FMは8日の前節で名古屋グランパスと2-2で引き分け、6連勝がストップ。さらに12日の天皇杯ではFC町田ゼルビアに敗れ、3回戦で姿を消すことになった。公式戦3試合ぶりの勝利を目指し、前節から先発を1人変更。MFマルコス・ジュニオールが復帰した。4-2-1-3の布陣で、GKは一森純。4バックは左からDF永戸勝也、DFエドゥアルド、DF上島拓巳、DF松原健。ボランチ2人はMF渡辺皓太とMF藤田譲瑠チマ。トップ下にマルコスが入り、前線3枚は左からMFエウベル、FWアンデルソン・ロペス、MFヤン・マテウスとなった。

 9位・川崎Fは8日の前節・横浜FC戦で3試合ぶりの勝利を収めた。12日の天皇杯・3回戦でも水戸ホーリーホックに勝利し、リーグ戦上位進出に弾みをつける。こちらも前節からスタメン1人を変更。GK上福元直人がメンバー入りを果たした。4-1-2-3の布陣で、GKは上福元。4バックは左からDF登里享平、車屋、DF高井幸大、DF山根視来。アンカーはMFジョアン・シミッチ、インサイドハーフはMF瀬古樹とMF脇坂泰斗。前線3枚は左からFW宮代大聖、FW山田新、FW家長昭博が入った。[両スタメン&布陣]

 慎重な入りから、互いにチャンスを作り始める。横浜FMは前半10分、後方からのロングボールにエウベルが反応。左サイドで相手の最終ラインから抜け出すと、PA左からファーサイドにクロスを放つ。マテウスが右足で合わせるが、惜しくも枠外に流れていった。

 川崎Fは高いラインから壁を作り、ボールを奪うとすばやくカウンターを発動させる。前半12分に左サイドから攻め立て、相手の最終ラインを抜け出した宮代の折り返しは相手にブロックされる。こぼれ球を家長がPA左から左足で鋭くキック。ファーサイドの山田がダイレクトで押し込むが、宮代の抜け出しがオフサイドの判定でノーゴールとなった。直後には家長が右サイドを抜け出して折り返しを山田が合わせる。だが、これもオフサイドの判定。ラインギリギリで何度も相手ゴールに迫っていった。

 横浜FMは中盤で藤田がボールをインターセプトし、攻撃のスイッチを入れる。前半19分、藤田が右サイドにロングスルーパス。マテウスが右サイドからの折り返し、最後はエウベルが合わせるが、GK上福元にキャッチされた。同34分、エドゥアルドのロングフィードにエウベルが反応。こぼれ球はマテウスが拾い、つながったボールはエウベルがPA右からクロスを上げる。ファーサイドのマルコスの合わせたボールはゴール枠を捉えずに外れていった。

 横浜FMは前半終了間際、松原が登里と交錯し、頭を打つ。しばらく治療が行われた。前半はスコアレスで折り返す。ハーフタイムでは脳震とうの疑いで松原がそのまま交代となり、DF畠中槙之輔が出場した。上島が松原がいた右サイドバックに移動している。

 後半開始から流れを掴んだのは川崎F。後半12分には右サイドでボールを持った家長が魅せる。永戸との1対1を右腕で抑え、反転しながら深い位置まで突破を試みる。PA右からの折り返しを瀬古がダイレクトで合わせるが、大きくゴール上に外れていった。

 横浜FMは後半13分に交代カードを切る。藤田とマテウスを下げ、MF喜田拓也とFW宮市亮が入る。喜田は藤田の位置に、宮市は左ウイングに入る。エウベルが右ウイングに移動した。川崎Fも同15分に2枚替え。瀬古と山田に代えて、MF橘田健人とFW遠野大弥を投入。橘田は瀬古の位置に、遠野は左ウイングに入り、宮代が中央の最前線に移動した。川崎Fは22分に宮代を下げ、MF瀬川祐輔が入った。

 川崎Fは交代選手が躍動する。後半27分、中盤でボールを収めた瀬川がすかさず最前線に縦パスを入れる。反応した遠野が相手の最終ラインを抜け出し、PA内に入り込む。飛び出したGK一森に倒され、PKを獲得した。

 川崎Fのキッカーは家長。左足シュートはやや正面のコースに入る。すると、自らPKを献上した一森がスーパーセーブ。大ピンチを防ぎ切り、すばやく前線にボールを投げて攻撃に転じてみせた。

 横浜FMは後半29分、マルコスを下げてFW植中朝日を出場させる。同34分には永戸が負傷し、担架でピッチ外に運ばれた。人数が一人足りない中でも直後にはエウベルが右サイドを突破。折り返しをA・ロペスがニアサイドでタッチするが、ボールはゴール右外に外れた。

 後半38分、両者は2枚替え。川崎Fは登里と脇坂を下げ、DF佐々木旭とDF大南拓磨を投入。横浜FMは永戸とエウベルに代えて、MF水沼宏太とFW杉本健勇が入った。川崎Fは同42分、山根がPA内からシュートを放つもGK一森に阻まれる。こぼれ球を佐々木が放つも、これも一森に止められた。

 総力戦となった“BIG神奈川ダービー”は後半アディショナルタイムに決着。大南が右サイドから折り返すと、車屋が体ごとゴールに突っ込む。これが決勝点となり、川崎Fが1-0で勝利し、9位から6位浮上。横浜FMは2試合未勝利となった。

(取材・文 石川祐介)
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