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「相当ストレス溜まってたんで」強烈ヘッド同点弾の鈴木優磨は鹿島の成長願う「早く優勝したいのと同時に、簡単にできない自覚も」

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FW鈴木優磨

[7.16 J1第21節 FC東京 1-3 鹿島 味スタ]

 3試合未勝利のストレスを爆発させた。鹿島アントラーズFC東京に前半9分から先制されるも、同23分にFW鈴木優磨が同点ゴールを挙げた。チームは勢いに乗り、3-1で逆転勝利。強烈なヘディングシュートは「いや、わからないです。適当にやっちゃいました」と狙いをはぐらかす。「相当ストレス溜まってたんで、それをぶつけることができた」と笑みを浮かべた。

 リーグ戦は3試合未勝利が続き、さらに12日の天皇杯3回戦ではヴァンフォーレ甲府にPK戦で敗戦。序盤の低迷から復活を遂げたが、再び低迷の兆しが見え隠れていた。今節も前半9分にFC東京に失点を喫すると、嫌なムードが漂う。だが、それを振り払ったのは鈴木だった。同23分、MF樋口雄太の左CKを強烈なヘディングシュートで叩き込んだ。

 頭での得点には自信があった。「最近頭にはボールが来ていたので。来ないというのが一番FWとしてよくない時。最近は決めることはできなかったですけど、来てはいたので。その来ている中で、しっかり当てれば決める自信はあった」。樋口の高精度キックの落下点にはMF松木玖生も待ち構えていたが、その頭上からゴールを決めた。松木のことは「やっぱりすごくいい選手。日本の未来をしょって立つ選手だと今日やって感じた」と認めつつ、それを上回る力で試合の流れを変える同点ゴールを決めた。

 岩政大樹監督体制で初の逆転勝利となり、復活への再スタートを切った。鈴木はチームの現状を把握。あせらずに常勝軍団への道のりを見据える。「今年は成長を掲げているシーズン。チームとしての強さは失っている。早く優勝して、優勝を色んな選手が覚えて、そこからどんどん優勝を狙えるようなクラブにならなきゃいけない。早く優勝したいのと同時に、そんな簡単にできないという自覚もあります」。冷静にチームへの思いを口にした。

 岩政監督は試合後の会見で「得点のところで、優磨に頼っているところがある。分散していかないとタイトルに結ばない」と鈴木依存を危惧する。それでも鈴木は「関係ないです。おれが取ればチームは勝てるんで」と一蹴。それには理由があり、昨シーズンは周囲も得点が取れるように気を配ったが、うまくいかなかったという。「みんなで点取れればいいですけど、そればかり意識したら自分のいいところは出ない。多少、エゴイストでありたい」と自分なりのチームの役割を説いた。

(取材・文 石川祐介)
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