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大宮奇跡の逆転残留なるか…5戦3発量産態勢のルーキーFW室井彗佑「ノビノビできた」

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FW室井彗佑

[10.7 J2第38節 大宮 2-1 山口 NACK]

 奇跡の大逆転残留を目指す大宮アルディージャで、東洋大出身のルーキーFW室井彗佑がまたしても結果を出した。直近5試合で3ゴール目を奪い、今季初の3連勝に大きく貢献。「これまで全然点を取れなかったので。でもやっと自分を出せてきた」。シーズン佳境、昨季の関東大学リーグ1部得点王がついに量産態勢に入っている。

 J2残留圏と勝ち点9差に沈んでいた最下位の大宮にとって、勝利が義務付けられる20位・山口との直接対決。主役となったのは「この試合もずっと楽しみにしていたし、プレッシャーとかは感じず、ノビノビできた」という強心臓ストライカーだった。

 0-0で迎えた前半15分、右サイドをDF岡庭愁人が駆け上がると、スペースのあるファーサイドに飛び込んだ。「点を決める前もあそこに入って行って、ボールは来なかったけどフリーになると思っていた」。序盤からギャップの空きがちだったポジションにもぐり込み、鋭いクロスを頭で叩き込んだ。

「なかなかヘディングで決めることは今までもなかったけど……」という珍しい得点パターンだが、プロ入り後もプレーの幅を広げることに意識的に取り組んできた室井。「幅を広げないと上には行けないし、もっともっと成長したい」。そんな姿勢が今季4ゴール目、そして価値ある直接対決での先制ゴールをもたらした。

 その後は高い位置からの守備でも高い貢献を見せ、山口のポゼッション攻撃を制限。「チームとしてもプレッシャーをかけて相手をハメに行くのはやっているし、ここ数試合でそれがハマっている。どんどん続けていきたい」(室井)。2点リードの後半19分に途中交代でバトンをつなぎ、チームはリードを守り切って3連勝を飾った。

 直接対決の勝利により、残留圏との勝ち点差は6。依然として厳しい状況は続いているが、奇跡的な大逆転の可能性が出てきた。「勝ち点も縮めてきたし、あとは4試合全部勝って残留したい」。直近5試合3ゴールで勢いに乗る23歳はまだ諦めていないどころか、力強く生き残りを誓った。

(取材・文 竹内達也)
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Text by 竹内達也

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