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大宮の18歳DF市原吏音、J2残留争いも「プレッシャーはない」高3で13試合連続フル出場中

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DF市原吏音(写真左)

[10.7 J2第38節 大宮 2-1 山口 NACK]

 大逆転でのJ2残留を目指す大宮アルディージャで、高校3年生のセンターバックがチームを支えている。「一戦一戦落とせる試合はないし、相手が上位とか関係なくやるだけだと思う。全試合勝って自分たちの目標を達成したい」。DF市原吏音は残留争いの重圧に動じることなく、残り4試合を戦っていく構えだ。

 7日のホームゲームは最下位の大宮vs20位の山口という残留争い直接対決。両者の勝ち点差は『9』離され、J3降格の崖っぷちに瀕している大宮にとっては、勝利が義務付けられる一戦だった。

 そんなプレッシャーのかかる一戦で存在感を放ったのが大宮U18所属の市原だった。前節で2ゴールを決めた相手エースFW梅木翼とのマッチアップで粘り強い対応をしつつ、相手がプレスの圧を強めてきた時間帯には冷静な判断でビルドアップを牽引。ロングフィードでの失点で3試合連続の無失点こそならなかったが、今季初の3連勝に導いた。

「みんなが集中して入れているし、雰囲気もめちゃめちゃ良くて、前線の選手が前から(プレッシングを)かけてくれるので、自分らもボールを予測して取りに行ける。全員がハードワークしてやっているからこそだと思う」(市原)

 7月16日のJ2第26節栃木戦(△0-0)でJ2デビューを果たし、そこから現在まで13試合連続の90分フル出場。この日の結果で大宮は最下位を暫定的に脱出したが、市原が出番を掴んでからのチーム成績は5勝4分4敗と白星先行しており、“育成”としてだけでなく“戦力”としての起用であることを結果をもって示し続けてきた。

「自身は常にあったけど、Jリーグデビューの栃木戦で確信に至った。自分の特徴を出せたし、足りないところもあったけど、ユースと同じように敵わないかというとそうじゃなかった」(市原)

 今年6月にはU-18日本代表の一員としてモーリスレベロトーナメントに出場し、モロッコやコートジボワールの強力なストライカー陣と互角以上に渡り合う素質を見せていたが、プロの舞台でも手応えを重ねているようだ。

 そんな市原にとって、J2残留争いは自身の能力を示すための良い機会となっている。「あまりプレッシャーはないし、自信を持ってプレーできている」。重圧のかかる状況にも冷静な18歳は「こういう順位で、こういう危ない時に使ってもらえている。これを経験できているのはプラスでしかない」と言い切り、残り4試合の戦いを見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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Text by 竹内達也

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