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「人のために何かをすることの素晴らしさを感じて」。25年C大阪内定の大体大FW古山兼悟が母校・立正大淞南で会見し、選手権控えた後輩たちにエール

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立正大淞南高の現役部員との集合写真

 2025シーズンのセレッソ大阪への加入内定が発表されている大阪体育大FW古山兼悟(ふるやま・けんご、21)が14日、高校時代にプレーした立正大淞南高(島根)で記者会見を行った。

 2002年7月11日生まれ、大阪府出身の古山は、IRIS生野SS-立正大淞南高を経て2021年に大阪体育大に進学。昨年は関西学生リーグ1部で12試合連続ゴールなど得点を量産し、19得点で得点王に輝いた。3年生となった今年も得点ランキングは3位ながら18得点を挙げ、優秀選手賞を受賞している。

 立正大淞南高のサッカー部員のほか、地元・松江市の中学生年代のクラブチーム『FC tentar』の選手・保護者など一般の出席者も参加した会見。C大阪の野口裕司・強化部スカウトグループ長は「評価しているのは、結果を残していること、そこに尽きる。今年の得点ランキングは3位だったが、アシストが7。得点とアシストを合わせたポイントは1位で、昨年も1位だった。昨年の得点王でマークも厳しい中で、2年続けて結果を残しているのは、すごいこと」と語った。
 
 野口スカウトグループ長は、今年9月の加入内定と、JFA・Jリーグ特別指定選手への登録に至った経緯も明かした。7月に練習参加した際の練習試合で得点し、「現場(監督・コーチ)と『良い選手だね』と話し合っていた」タイミングで、FW加藤陸次樹がサンフレッチェ広島に完全移籍。ストライカータイプのFWがレオ・セアラのみとなったことで、移籍による補強と並行して、古山にオファーを出すことを決断したという。

 古山は「まだまだスタートラインに立っただけなので、ここからも結果を残し続けて、セレッソ大阪に貢献できるように頑張っていきたい」ときっぱり。会見に同席した立正大淞南高サッカー部の後輩たちを前に「今の自分があるのも、高校の3年間があったから。一番大切にしているのは、人のために何かをすることの素晴らしさです。皆さんも選手権の前ですが、どのような立場に置かれても、人のために何かをすることの素晴らしさを感じて、頑張ってほしいと思います」と、2年連続20回目の出場を決めている冬の大舞台へのエールを送った。

 報道陣との質疑応答で、プロを目指した時期を「高校生になって意識するようになったが、その時点では正直、まだまだ実力不足だと感じていた、大学に行って試合を重ねていくたびに、プロになりたい気持ちが強くなった」とコメント。大学で気持ちが強くなったきっかけを問われると、高校3年時を振り返った。

「いろいろあるのですが、一つは選手権予選の決勝で負けてしまったこと。いまでも悔しさが残っている。それを忘れることなく、日々努力しています」

 2020年、高校3年生となった古山は立正大淞南高の得点源として期待されていたが、同年に感染が拡大した新型コロナウイルスの影響で全国高校総体(インターハイ)は中止に。選手権予選決勝は同校伝統のエースナンバー17番を背負って臨み、0-2の劣勢から後半30分(40分ハーフ)に鮮やかなダイビングヘッドを決めたものの、直後に交代でピッチを去り、チームは2-2からの延長を経てPK戦で敗れ、出場権を逃した。

 最終学年で全国大会でのプレーができなかったことを「負けたことがよかったとは言わないですが、あの負けが間違いなく、自分の原動力になっている」という。その上で今年度の選手権に臨む後輩たちに「やらないよりも、失敗してもいいから、やって後悔してほしい。自分は(選手権予選決勝で)途中交代して、うまくいかなかった。やらない後悔はしないようにしてほしい」とメッセージを送った。
 
 自分と同じ高校からプロへの扉を開いた先輩の姿に、後輩たちも大いに刺激を受けたようだ。今年度のキャプテン・DF西口大稀(3年)は「僕たちが中学3年生のときの高校3年生。選手権予選決勝のダイビングヘッドは映像で見て、すごいと思いました」と語り、「大学での試合を何回か見させてもらっています。選手権に向けて気持ちが高まりました」と言葉に力を込めた。
 
 今年度の背番号17・FW永澤叶太(3年)も「自分も同じ背番号をつけさせてもらっているので、プロ選手を目指して頑張りたい」と将来の目標が明確に。その前に、まずは選手権に向けて「いろいろな先輩がつけてきた伝統の背番号。選手権でゴールを決めて、淞南の17番とはこういうことだぞ、と全国に見せたい
 」と決意を新たにしていた。

高校時代に来ていた淞南の17番のユニフォームとの2ショット


(取材・文 石倉利英)

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石倉利英
Text by 石倉利英

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