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J1初挑戦の鳥栖「サッカーファンの期待を裏切り、鳥栖ファンの期待を裏切らない」

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 J1初挑戦のサガン鳥栖がサッカーファンの期待を裏切る。昨年は19勝12分7敗でJ2の2位。06年のJ2・4位が最高位だったクラブが、第20節から16試合連続無敗で勝ち点を重ねて昇格争いを抜け出し、クラブ史上初のJ1昇格を勝ち取った。ただメンバーの半数以上はJ1でのプレー経験がない選手たち。周囲は苦戦を予想し、選手たちもそれを感じ取っている。ただ、Jリーグキックオフカンファレンスに出席したキャプテンのMF藤田直之は「ここにいる人の大半は鳥栖を降格候補に挙げていると思う。でも自分達は残留はもちろん、少しでも上に行きたい。これで負け続けたら『やっぱりな』と思われる。勝っていく事で注目されたい。サッカーファンの期待を裏切り、鳥栖ファンの期待を裏切らないようにしたい」と言い切った。

 昨年のJ2得点王であるFW豊田陽平や全試合フル出場のDF木谷公亮、MF岡本知剛ら昨シーズンのレギュラーたちが残り、ロンドン五輪世代の実力派MF水沼宏太やMF高橋義希やMF{{船谷圭祐といった新戦力を加えた。リーグ首位と1点差の68得点をたたき出したパスワークと堅守は一段階レベルが上がった。初のJ1挑戦でチャンスの数は間違いなく減るだろうが、その中でベースアップしたチームは確実にチャンスをものにして勝ち点を重ねていく。

 昨年、左足骨折によって前半戦を棒に振った藤田は今年、フルシーズンの貢献を誓う。そして「サッカーしている以上、一番の舞台で戦うことを自分自身目指してきたし、チームも一番上を目指してきた。この舞台でやりたいと思っていた」というJ1の舞台で、持ち味である攻守のバランスをしっかりと取りながら、チームと共に躍動するつもりだ。開幕戦の対戦相手はC大阪。前線の破壊力、そしてテクニックを警戒しながら勝ち点3を奪う。そして“J2降格候補”のレッテルを剥がして鳥栖ファンの期待に応える。

(取材・文 吉田太郎)

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