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浦和DFショルツ「シュウがPKを止めて目が覚めたが、時すでに遅し」前半2失点響きルヴァン杯Vならず

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GK西川周作がPKストップ

[11.4 ルヴァン杯決勝 福岡 2-1 浦和 国立]

 浦和レッズは4日、ルヴァンカップ決勝でアビスパ福岡に1-2で敗れ、7年ぶり3度目のJリーグカップタイトルを逃した。リーグ最少失点の堅守を持ち味とする浦和だが、この日は前半のうちに2失点。DFマリウス・ホイブラーテンは「簡単に得点を与えてしまった」と悔やんだ。

 この日の浦和は前半5分、GK西川周作のゴールキックが相手に跳ね返され、カウンター攻撃を浴びると、左サイドを崩されて先制点を献上。その後はボールを握る時間帯が続いたものの、同アディショナルタイムにセットプレーの二次攻撃から追加点を与え、2点ビハインドでハーフタイムを迎えるという苦しい試合運びを強いられた。

 ホイブラーテンは失点を悔やんだ一方で「2つのゴールを与えてしまったことも残念だが、全体的なパフォーマンスも決勝のためのパフォーマンスではなかった」とチーム全体の低調ぶりにも言及。「僕らが思っていたよりも前半にしっかりとしたパフォーマンスができなかった。決勝に負けるというのは残念な気持ち。誰もこのような気持ちにはなりたくない」と厳しい表情で振り返った。

 ホイブラーテンとともに今季の堅守を牽引してきたDFアレクサンダー・ショルツも「受け身になって、すごく試合の入りが悪かった。最初の60分間は向こうがやりたいことをやっていた」と振り返り、福岡を「強かった。優勝に値するチームだった。おめでとうと伝えたい」と称えた。

 後半はGK西川周作のPKストップを機に勢いに乗り、反撃に出た結果、MF明本考浩のゴールで1点を返した。しかし、最後はもう1点が遠かった。ショルツは「シュウがペナルティを止めてからやっと目が覚めたが、時すでに遅し。僕らは優勝に値しなかった」と敗戦と向き合った。

 一方、殊勲の働きを見せた西川は前を向こうとしていた。

 かつては苦手としていたPKで昨季のAFCチャンピオンズリーグ準決勝・全北現代戦に続く大仕事。「蹴る前に自分の間合いに持って行けたのが大きく、すぐライン上に立つのではなく、山岸選手の表情、タイプ的にどうかなと分析しながら、最後はうまく分析どおりにいけた。自分の間合いに持って行けたのが良かった」と手応えを口にしつつ、チームの現状に前向きな言葉を発した。

「グループリーグは1勝5分で勝ち上がってきて、準決勝のマリノス戦も逆転勝ちで、ここまで来られたのはみんなの力があってこその大会だった。最後、なんとかして目に見える結果をと思いながら戦った。ベストを尽くした上での敗戦として受け入れることができるし、胸を張って次の戦いに向かえると思う。勝てはしなかったけど、最後まで諦めずに戦えたこと、そこは今後につながると思う。若い選手が経験できたこと、感じたことを浦和レッズの一員として責任を持ってやっていければと思っている」(西川)

 就任1年目のマチェイ・スコルジャ監督も「立ち上がりは我々にとってひどいものになった。決勝の立ち上がり5分で失点するのは試合前のメンタルの準備で何かが間違っていた」と序盤の戦いを悔やみつつも、「周作がPK止めたのは一つのポイントになった」と守護神については称賛。「本日は悲しく悪い1日でロッカーも悲しく悪い雰囲気があったが、もう一度立ち上がって次に向かわないといけない」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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