beacon

「2つとも読みが外れた」2失点に浦和DF酒井宏樹が噛みしめる悔恨

このエントリーをはてなブックマークに追加

浦和DF酒井宏樹

[11.4 ルヴァン杯決勝 福岡 2-1 浦和 国立]

「決勝で負けるということは選手にとっては本当に耐えがたいくらいの出来事」。浦和レッズのキャプテン、DF酒井宏樹は悔しさを噛みしめるように眉間にしわを寄せた。

 J1リーグではここまで31試合で22失点とリーグ最少失点を誇る浦和だが、この日は福岡に対して前半のうちに2失点。それも前半5分と前半アディショナルタイムの失点という最悪なパターンで劣勢を招いたことが痛かった。

 悔恨の思いがよほど強かったのだろう。酒井は2つあった失点シーンについて詳細に説明し、「2つとも読みが外れた」と振り返った。

 1失点目は浦和の左サイドから低いクロスを入れられて、酒井サイドの背後から走り込んだMF前寛之に決められた。酒井はこの場面について「敵が僕の後ろにいるのは分かっていた」と言い、「紺野(和也)選手は左利き。(クロスを上げた右足は)逆足なので、浮き球かマイナスと読んだけど、その読みが外れた」と説明。2失点目はその逆で、今度は左に流れた紺野が利き足の左足で持っていたところから、読みとは逆のマイナスのコースにボールが来たことを明かした。

「DFなので、日々そういう選択肢を減らしていくという作業の積み重ねをしている。読みが当たることが大半ですけど、外れることもある。それが今日出てしまった」。そう言って悔しさを噛みしめた。

 一矢報いた場面もあった。後半22分、MF明本考浩を狙って繰り出したロングフィードを明本が決めて1点差。「アキ(明本)はよくああいう動き出しをしてくれる。もう少し(パスが)低ければ完璧だったけど、アキがよく耐えて、相手を押さえながらシュートしてくれた」と称えた。しかし、カップ戦の決勝では勝利に結びつかなければ意味をなさないゴールでもあった。

 足りなかったことは何かと聞かれると、言葉を丁寧に選びながらこう言った。「全部ですね。今日に関してはすべてだと思う。決勝に懸けるメンタリティーもそう。試合なので負けるときも勝つときもあるけど、悔いはサポーターの方々と喜べなかったこと。そこに対する気持ちが僕らは足りなかったのかなと」。福岡については「良いチームだった。そこはしっかり認めて、次の対戦のときに勝てるような準備をしたい」と言った。

(取材・文 矢内由美子)
●ルヴァン杯2023特集
矢内由美子
Text by 矢内由美子

TOP