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[全中]神村学園中が2年ぶり王座奪還へ好発進!主将西村朋倭がハット「みんなで決めた3点です」

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ハットトリックを決めたFW西村朋倭

[8.20 全中1回戦 神村学園中9-0たつの市立龍野西・御津・新宮中 屋島レクザムフィールド]

 王座奪還を狙う神村学園中(鹿児島)が大勝発進した。3校合同の市立龍野西・御津・新宮中(兵庫)と対戦すると、開始3分に10番MF花城瑛汰(3年)のゴールで先制。5点リードで折り返した後半も勢いは衰えず、さらに4得点を積み上げた。

 中でも主将FW西村朋倭(3年)が3得点と結果を出した。前半14分にゴール前に抜け出して右足で豪快にゴールネットを揺らすと、同28分には今度は左足で追加点を決める。そして後半20分にはハットトリックを完成させる右足弾を決めた。

 いずれも味方のパスに反応してのゴール。西村は「(自分の得点は)DFとサイドハーフ、ボランチも含めたみんなで取った3点。自分だけじゃなくて、みんなで決めた3点です」と胸を張ると、「自分たちは試合の入りを意識してやっている。開始5分以内に点を決めて流れをもってこれてよかった」とゲーム内容にも笑みを浮かべた。

 神村のエースストライカーの系譜を継ぐつもりでいる。高校卒業と同時にドイツ挑戦、ボルシアMGに入団したFW福田師王や、神村学園高のエースで、U-17日本代表でも活躍するFW名和田我空も中学生の時に全中を経験。特に名和田は10得点で大会得点王を獲得して、チームを初優勝へと導いた。

 名和田が活躍したのは2年前。間近で凄さを目の当たりにしてきたからこそ、「自分もエースになりたいけど、まだまだ足りない」という実感がある。「もちろん我空さんや師王さんの真似はしているけど、シュート力やキープ力、フィニッシュの仕方と、すべてでまだまだ足りない。見習っていきたいと思います」。

 九州予選を3連覇して今大会に出場している神村学園中だが、松本翔監督によると、「一昨年と去年はゲームをコントロールする子がたくさんいたんですけど、今年は槍みたいな早い、強い子が多い。神村っぽくなくて、支配するより、1対1で勝てる子が多い」と強みが例年とは違うチームなのだという。

 そしてハットトリックを決めた西村以外、6得点を奪ったのはすべて別の選手だったように、多くの選手に得点力があることも特長的だ。「中1で入ってきたときは自分が自分がという選手が多かったけど、遠征とか練習、試合を重ねて成長した。今日の1回戦でいい流れを作れたのは、今までがあったからじゃないかなと思います」(西村)。前年優勝の浜松開誠館や、昨年神村学園も敗れた準優勝の静岡学園が初戦で敗れる波乱が起こる今大会だが、2年ぶりの王座奪還を目指す九州王者の視界は良好だ。

 21日の2回戦は鹿児島県勢対決となる日章学園鹿児島育英館中との対戦になる。東部運動公園第2サッカー場で10時にキックオフする。

(取材・文 児玉幸洋)
●第54回全国中学校サッカー大会特集ページ
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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