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[全中]地元香川の声援を背に…さぬき南中が初戦突破、中体連からU-15日本代表に選ばれた主将FW安西来起「プレッシャーの中で結果を」

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1得点を決めたFW安西来起

[8.20 全中1回戦 さぬき市立さぬき南中2-0稚内市立稚内南中 屋島レクザムフィールド]

 声援が背中を押していた。地元・香川県のさぬき市立さぬき南中は前半をスコアレスで折り返すも、後半4分、右CKからファーサイドで頭で合わせたDF熊野仁紅(3年)のゴールで先制。同23分には主将のU-15日本代表FW安西来起(3年)が加点して、稚内市立稚内南中(北海道)を下した。

 夏田英司監督も「勝利で恩返ししないといけないとチームにも言っていた」と地元のサポートに感謝。「相手のGKがすごくよかったですし、DFも粘り強かった。相手のサッカーを理解して、継続して我慢できたこと」を勝因に挙げ、イレブンの健闘を称えていた。

 注目を浴びるエースが、しっかりと役割を果たした。前半4分に折り返したボールをFW關銀士(3年)が詰めた場面は惜しくもオフサイドとなったが、序盤から気合が入っていることは十分に伝わった。「地元開催ということもあるので、負けられない思いが強かったです」。安西も充実の汗をぬぐった。

 全国レベルで名前が知れ渡ったのは、今年6月のこと。韓国遠征をするU-15日本代表に初選出。中体連所属の選手としては、唯一の選出だった。そしてU-15韓国代表と行った2試合に出場。変則マッチとなった1試合目には3本目に得点も記録。しっかりと結果を残してきた。

 帰国後は対戦相手の選手から声を掛けられることが多くなったと笑う14歳。ただ「やれる」という手ごたえを感じた一方で、一緒に遠征に参加したFW吉田湊海(FC多摩JY)のプレーには、差を見せつけられたという。「フィジカルもすごいし、ヘディングも得意で、足元もあって賢い選手。みていて勉強になった。課題もみつかったので、直していって、また代表に入りたいです」。

 夏田監督も精神面の成長に目を細める。「人間的にすごく成長した。自分が率先してやるので、それはいいことかなと思います」。安西自身も注目を力に変えるつもりでいる。「プレッシャーは感じるけど、その中で結果を出していかないと代表にも入っていけない。今日はそんな中で結果が残せてよかったです」。中学1年生で出場した2年前は「何もできなかった」と振り返るエースストライカーが、全国の舞台で成長した姿を見せつける。

(取材・文 児玉幸洋)
●第54回全国中学校サッカー大会特集ページ
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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