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[全中]三国兄弟3人目、ケースマンエブスも青森山田で日本一を目指す「お兄ちゃんたちと勝負したい」

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ドリブル突破を試みるMF三国ケースマンエブス

[8.21 全中2回戦 日章学園中3-1青森山田中 屋島レクザムフィールド]

 敗戦に嗚咽を漏らしながら悔しさを噛みしめる選手を横目に、MF三国ケースマンエブス(3年)はしっかりとした口調で答えてくれた。

「最後まで諦めずに走れたのはよかったけど、攻撃面で活躍できなかったことは悔しい思いが残りました。2番目のお兄ちゃんが優勝していた大会なので、自分も優勝したかった。でも一番上のお兄ちゃんは自分と同じ2回戦敗退だった。まだ諦めずに、高円宮杯もあるので頑張りたいです」

 中学進学と同時に青森の地を踏むことに何の迷いもなかった。小学2年生だった7年前の冬、10歳離れた長兄のMF三國スティビアエブス(現岐阜)が全国高校選手権で頂点に立つ姿を、現地埼玉スタジアムで目の当たりにした。

 さらにその2年後には、次兄のDF三國ケネディエブス(現福岡)も日本一を達成。自分も青森山田でサッカーをするんだ――。東京都東村山市出身だが、その思いに至ることは必然で、現在小学校5年生の末弟の三国デスモンドエブスも青森山田への進学を希望しているという。

「自分は一番上のお兄ちゃん似で、弟がケネディ似。弟はすでに165cmくらいあります。お兄ちゃんたちも身長を生かしたプレーがあったと思うけど、自分も今180くらいある。もっとコーナーとかセットプレーの時に活躍したいです」

 成田鷹晃監督もケースマンの能力の高さは認めるところだ。さらに「性格も全然違って、上2人の良さを兼ね備えている。勝気だし、でも優しいし。3番目ということもあって周りが見えていますね」と素材の良さに太鼓判を押した。

 この日は攻撃的な右サイドで先発していたケースマンだが、どちらかと言うと足元での操作に自信を持つことで、将来的にはボランチの選手として大成したいという希望を持つ。「高校では1年生でプレミアとか選手権に出て、高卒でプロになって、お兄ちゃんたちと勝負してみたいです」。高校での日本一は必ず。そしてその先の夢も大きく広がっている。

(取材・文 児玉幸洋)
●第54回全国中学校サッカー大会特集ページ
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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