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[ぎふ清流国体]「ファイナリストになる」15年ぶりの決勝進出目指す熊本がV候補・京都を延長戦で突破!:少年男子1回戦

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[9.30 岐阜国体少年男子1回戦 熊本3-2京都 古川WA]

 第67回国民体育大会「ぎふ清流国体」サッカー競技が30日に開幕し、少年男子は1回戦が行われた。延長戦にもつれ込んだ熊本県と京都府との一戦は、FW坂元大希(大津高、1年)の2ゴールとMF山本宗太朗(大津高、2年)の決勝ゴールによって熊本が3-2で競り勝った。熊本は10月1日の2回戦で宮崎県と対戦する。

 京都は京都U-15時代の昨年、JFAプレミアカップと全日本ユース(U-15)選手権の全国2冠を達成しているメンバーが中心。この試合でも圧倒的な個人技で存在感を放つFW奥川雅也(京都U-18、1年)や好セーブを連発していたGK若原大志(京都U-18、1年)らが好プレーを見せていたが、その優勝候補を上回る内容のゲームを演じた熊本が勝利した。

 熊本は坂元、FW葛谷将平(大津高、1年)、FW野口航(大津高、2年)とドリブルで打開することのできる前線の選手たちが次々とドリブルで勝負を仕掛けていく。これに大型MF山本が正確なダイレクトパスなどで絡む攻撃は破壊力十分。前半4分に野口の仕掛けから葛谷が決定的な左足シュートを放ったほか、28分にも坂元のドリブル突破から野口が決定機を迎えるなどチャンスをつくった。

 だが要所を締める京都は簡単には熊本を勢いづかせない。前半はゴール前で踏ん張る熊本ディフェンスを破ることができなかったが後半2分、U-16日本代表候補FW岩元颯オリビエ(京都U-18、1年)のパスからDFを振り切ったMF永島悠史(京都U-18、1年)が右足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。先制した京都は11分に縦パスから熊本FW葛谷に放たれた決定的な右足シュートをCB平山悠大主将(京都U-18、1年)がスライディングでブロックするなど非常に集中した守りを見せる。

 攻略困難かと思われた京都の堅守だが、熊本の寺尾誠一郎監督(熊本学園大付高)は「(前線のアグレッシブな仕掛けが)徐々にジャブとして効いているのは分かっていた。1チャンスあると思っていた」。その思惑通りに熊本は土壇場で同点に追いついた。後半31分、右SB竹脇大稀(ルーテル学院高、2年)の縦パスを胸トラップした坂元が反転しながらボールを右足で撃ちぬく。これが劇的な同点ゴールとなった。

 この一撃で形勢逆転。蘇った熊本は1-1で突入した延長前半7分、野口のクロスを坂元が右足スライディングシュートでゴールへと沈めて勝ち越した。さらに延長後半3分にも、ゴール正面の山本が鮮やかな右足ダイレクトシュートをゴール右隅へ流し込んで3-1。京都は試合終了間際の9分に絶妙な身のこなしでマークを外した奥川が左サイドから左足シュートを突き刺して1点差へ迫ったが、指揮官が「守備ラインとGKの5人は声を途絶えることなく出し続けていた。1点目以外はパーフェクト」と讃えた熊本ディフェンス陣はもう1点を与えず守りきった。

 熊本の目標は「ファイナリストになること」。同県にとって97年以来15年ぶりとなる決勝進出を果たすことを目指している。この日はその第一歩として選手たち自身も厳しい相手と認めていた京都に逆転勝ち。自信も手にした1勝に坂元は「チームのストロングである、元気さを前面に出す。いい雰囲気で来ているし、勝ち続けてファイナリストになる。(決勝まで)いきます」と宣言した。

[写真]延長後半3分、熊本MF山本(中央)が決勝点となるゴール
(取材・文 吉田太郎)
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