[10.4 国体少年男子準々決勝 東京都 1-2 神奈川県 下野市大松山運動公園 陸上競技場]

「チームメートも3人いるし、中学校の頃から神奈川で戦ってきて、東京に負けて悔しい思いをしていたので……いざ(神奈川から)東京に来て、神奈川とやる時は絶対に勝ちたいと思っていた」。

　東京都のアンカーを務めたMF田所莉旺(川崎フロンターレU-18、1年=川崎フロンターレU-15出身)は川崎フロンターレU-18の3選手をはじめ、以前ともにプレーしていた神奈川県の選手たちと対峙。186cmの大型MFは武器であるロングキックを見せ、巧みなキックフェイントでプレスを剥がしてから先制点の起点になった。

　また、個々の技術力が高い神奈川県に対し、中盤の底で守りに厚みを持たせた。だが、チームは後半の2失点で逆転負け。田所は「後半に関しては自分が活きていなかったと振り返って感じています。(自分は)中盤の底で軸になっていたので、自分が活きなかったのが一番悔しい」と首を振った。

　年代別日本代表候補ではキャプテンマークを巻くこともあった実力派だが、川崎フロンターレU-18ではいずれも世代トップクラスのMF大関友翔(3年)、MF由井航太(2年)の壁が分厚く、まだ十分な出場機会を掴むことができていない。所属チーム、また選外となったU-16日本代表にアピールするために、国体で結果を残すことを考えていた。

　存在感のある動きを見せたものの、周囲の期待も大きいだけに不満の結果と内容。「自分としても、代表外れて都トレに来たのは満足していないですし、満足したら終わりだと思っている。(U17アジアカップ予選を戦うU-16日本代表が)昨日試合しているのも情報として伝わってきている。3-0で勝ったことは嬉しいけれど、自分がここ(U-16日本代表)にいないのは悔しいと思いますし、アピールして行くしか無い」。田所を“呼びたい”“使いたい”と思わせる活躍が必要だ。

　代表チームではCBでの起用が多い。「(川崎フロンターレ出身の)板倉(滉)さんが憧れだったり、CBとボランチどっちもできた選手であることに越したことはない。試合に出ていなければ呼ぶに呼べないと思うので、試合に出て結果を出すことが大事。自チームに戻って自分を見つめ直して、結果を残していけるようにしたい」と誓った。神奈川の仲間たちと真剣勝負できた喜びと敗戦の悔しさは次へのエネルギーに。まずは川崎フロンターレU-18で大関や由井の脅威となる選手、板倉に続く選手になれるように、日常から努力を重ねる。
　
(取材・文　吉田太郎)

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