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[国体少年男子]“人生を変えるため”に走り、戦った茨城県が44年ぶりの決勝進出!仲間に感謝の左SB佐藤海宏主将「最後、日本一になって帰りたい」

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茨城県が44年ぶりの決勝進出。主将のU-17日本代表左SB佐藤海宏(鹿島ユース、2年)がチームメートと歓喜の抱擁

[10.15 国体少年男子準決勝 茨城県 0-0(PK4-1)東京都 OSAKO YUYA stadium]

 茨城県がライバル・東京都をPK戦で下し、1979年大会以来44年ぶりの決勝進出。主将のU-17日本代表左SB佐藤海宏(鹿島ユース、2年)は、「向こう(東京都)は分からないですけれども、こっちは『東京には負けたくない』という思いでやっていた。キャプテンをやらせてもらって導けたかといったら、一人ではここまで来れなかったし、自分は1個上でそういう責任もあるので少しホッとしたところもあります」と仲間たちに感謝していた。

 互いにとって、体力的に厳しい4連戦の4試合目。対戦相手の東京都はU-17日本代表FW前田勘太朗(横浜FCユース)やU-16日本代表MF仲山獅恩(東京Vユース)を中心に攻撃力の高いチームだった。

 特に前田の抜け出しは強烈だったが、赤須能尚監督(日立北高)が「背後取られても良いから、シュート打たせなければ良いからと」と説明したように、U-17日本代表候補CB大川佑梧(鹿島ユース、1年)を中心に対応。また、押し込まれた際には各選手がしっかりゴール前まで走って戻ることが徹底されていた。

 佐藤は「アントラーズ主体で、(鹿島)学園も結構走れる選手が結構いるので、4試合目ですけれども茨城らしく戦えて、ハマんないこともあって、そこに苦戦した部分もあったんですけれども、それでも最後まで行き切れたのは練習にしっかりと取り組めているのが出たと思います」と胸を張った。

 被シュートは前半の2本のみ。また、赤須監督が「昨日、ビルドアップがちょっと上手くいかなくて修正をした。全体的に後半押し込めていた」と振り返ったように、この日は距離感良くボールを繋ぐシーンが多かった。特に後半はパスを繋いで押し込むことで相手の攻撃力を半減。攻撃参加が持ち味の佐藤は組み立てを重視しながら、得意の左足で相手の背後やFW徳田誉(鹿島ユース、2年)へ正確な配球を見せていた。

 赤須監督は「(国体に)人生変えるために来ているので、『このチャンスを逃すな』ということは常々言っている」。この日、前線で攻守に運動量を増やしたFW正木裕翔(鹿島ユース、1年)を筆頭に、各選手が勝利のために全力で走り、戦った。70分間で決着をつけることはできなかったものの、PK戦で勝利。茨城県の歴史を変えた。

 佐藤は「中学生の時にキャプテンを少しやったんですけれども、今年のチーム、1年生は元気なヤツが多くてワイワイ騒ぐ感じですし、まとめるのは難しいけれど、みんなの元気に自分も緊張がほぐれたりというのがあるので、自分もそういう面では下の学年ですけれども、アイツらに救われている」と明かす。

 元気の良さも特長のチームは、あと1勝。佐藤は「連戦の5試合目ですけれども、最後日本一になって帰りたいというのがあるので、最後は気持ちでどうにか動かして、茨城のプライドを持ってやりたいと思います。今日は誰もが東京が勝つと思っていたと思うんですけれども、『そこをひっくり返そう』という声がけでそれができたので、明日もしっかりと戦えるような準備をしたい」。決勝戦の対戦相手は今大会3試合で15得点の強敵・大阪府。茨城県のプライドを持って決勝も戦い、勝って人生を変える。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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