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戦下で果たしたパリ五輪出場…U-23ウクライナ代表が来日「国民を勇気づけることができる」

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ルスラン・ロタン監督

 U-23ウクライナ代表は24日、U-23日本代表と対戦する国際親善試合に向け、前日会見を行った。ルスラン・ロタン監督は「ウクライナの国民を代表して、これまで援助していただき感謝の言葉を述べたい。この機会に際して、サッカーを通してよりウクライナのことを身近に知ってもらいたい」と日本への謝意を述べた。

 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、ウクライナはパリオリンピック出場を決めた。ロタン監督は「戦争の真っただ中ではあるが、選手たちが最大限の努力をしようとしている」と選手たちの奮闘を称える。「ウクライナという国にとって、国民にとって大事なこと。すばらしいプレーをして、よりよい結果を得ることで、戦下の国民を勇気づけることができる」。それでも戦争下での活動は厳しかったことも明かした。

「戦下によって、まず代表チームの練習が国内でしにくい状況だった。しかし、ヨーロッパの隣国によって協力してできている。選手たちもそのなかで結果を残そうとした。オリンピック世代なら五輪出場権を取った。A代表ならEURO出場を目指している。戦争下であってもよい結果を残すためにがんばっている」

 国際オリンピック委員会(IOC)は今月19日、ロシアとベラルーシの選手がパリ五輪開会式に参加しないことを発表。ウクライナ侵攻の影響で、2国の選手は自国代表として五輪に参加することを禁止されている。中立な立場の選手として五輪出場の可能性はゼロではないが、ロタン監督は危惧。持論としてロシアの選手が出場する意味を説いた。

「オリンピックやサッカーは平和の象徴だ。しかし、ロシアは政治利用しようとしていると私は考えている。五輪に出場して国民の感情を高ぶらせることによって、攻撃的な感情を強調してしまう。よりウクライナでの被害が増える可能性がある。サッカーが政治的な利用につながる可能性があることを危惧している」

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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