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[MOM892]国士舘大MF布方叶夢(4年)_「プロを目指している」…身長160cmドリブラーは夢を叶える

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.3 総理大臣杯2回戦 国士舘大6-0静岡産業大 セイホクパーク石巻フットボール場]

 身長160cmの体はガチムチの選手たちに囲まれることで、ひと際小さく映る。しかしその存在感が引けを取ることはない。「自分でもどこで勝負すればいいか分かっている。アジリティだったり、それは日々のサッカー人生で考えてきたことです」。MF布方叶夢(4年=日大藤沢高)が初戦から1ゴール1アシストと結果を残した。

 試合序盤は初戦の固さからか、思うような攻撃を仕掛けられなかった国士舘大(関東1)だが、前半33分にFW古川真人(4年=実践学園高/東京V内定)のゴールで先制すると、そこからゴールラッシュを開始。同40分には布方が蹴った左CKをDF望月海輝(4年=三菱養和SCユース/町田内定)が頭で合わせて加点すると、後半14分には10番MF大西悠介(4年=流通経済大柏高)のループ弾で突き放す。

 そして後半24分には布方が右サイドの裏に浮き球を出すと、古川の折り返しに再び布方が走り込んで4-0として試合の大勢を決めると、同39分の途中出場MF井野佑優(1年=広島ユース)の超ロングシュート、終了間際には古川がPKを沈めて圧勝劇へと繋げた。

「初戦で芝もわからず、全国大会初戦でみんな固かったけど、1点入ってから気持ちも楽になりました。(得点の場面は)背後に出したパスから、チームの鉄則でもあるもう一回かかわるというところを体現できたかなと思います。アシストと得点でチームのプラスになることが出来てよかったです」

 連覇を目指す国士舘大だが、昨年度の主力であったGK飯田雅浩やMF綱島悠斗(いずれも東京V)、FW棚橋尭士(徳島)らセンターラインの中心選手が卒業。今季のリーグ戦は初勝利が7月になるなど、予想以上の苦戦を強いられている。ただ総理大臣杯予選のアミノバイタルカップを連覇すると、直近のリーグ戦では拓殖大に6-0と大勝。調子を上げた状態で今大会にやってきた。

 ただ連覇はもちろん目指すところだが、布方は「そこを考えすぎると固くなってしまう。まずは目の前の試合にしっかりと戦って、圧倒していきたい」とチーム内に共通認識があることを強調する。

 しかしそんな中で、今大会が自身のサッカー人生を左右する大会になるとも位置付けている。

 布方にとって古川やDF山田裕翔(4年=正智深谷高/東京V内定)、DF望月海輝(4年=三菱養和SCユース/町田内定)といった大学の同期がもちろん、日大藤沢高の同級生のMF植村洋斗(早稲田大4年/磐田内定)、DF青木駿人(日本大4年/徳島内定)。

 もっと言えば中学時代に在籍した横浜FMJrユース追浜で一緒だったMF渡邉綾平(法政大4年/鳥栖内定)、そしてすでにプロで活躍するFWブラウンノア賢信(沼津)ら、将来を意識する存在が身近にたくさんいる。

「自分もプロ入りを目指しているので、今大会がかなり大事になることはわかっている。優勝の先にプロがあるのかなと思っています」

 彼らと同じ舞台へ。参考にしている選手はアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)やMF家長昭博(川崎F)だと話す小兵ドリブラーは、名前の由来の通り、必ず「夢を叶える」。

(取材・文 児玉幸洋)
●第47回総理大臣杯特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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