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[全国自衛隊サッカー大会MOM]空自3補FW春本充3曹_1年前の雪辱へ今大会初ゴール

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[4.27 全国自衛隊大会準決勝 航空自衛隊入間基地第3補給処2-0海上自衛隊下総・館山基地]

 悲願の初優勝で因縁を振り払う。航空自衛隊入間基地第3補給処のサイドアタッカー春本充3曹(狭山清陵高校)は、前半15分にゴールを決めると、右腕を突き上げてベンチへ突っ走った。

 チャンスの多くない試合では、突破と得点の2役を担う重要な戦力だ。ここぞとばかりに加速するアタックは、今年も健在。海自下総との準決勝、左足でしっかりとミートしたシュートは貴重な追加点となり「今日は前からプレッシャーをかけようという話をしていた。相手の3バックに3トップで付いて、ボランチのところまで圧迫しようというのがチームの狙いだった。立ち上がりにうまく真木(基希1士)が決めてくれて、自分も追加点を奪えた。ミートして枠に飛ばすことだけを考えて打ったけど、良いコースに飛んだ」と今大会初ゴールを喜んだ。

 試合後は笑顔で振る舞ったが、実は苦い思い出と戦い続けている。前回大会の決勝戦、打ち損なったシュートを味方が押し込んだが、混戦の中でファウルの判定を受けてゴールは認められなかった。試合終了間際、決まれば延長戦につなげる同点ゴールだった。「ちゃんとシュートを打てていれば、判定に関係なくゴールが取れた。あの場面はいまだに夢にも見る」という痛恨のシーンだ。

 春本3曹は元々、入間基地内の別チームで活動していたが、初優勝を狙う空自3補に魅入られてチームを移った。航空自衛隊最強のサッカーチームとして知られながら決勝戦で5度涙をのんでいる空自3補の立場は、よく知っている。空自のチームとしても新田原基地が第13回、14回大会を制してから30年以上もタイトルに縁がない。昨年に続いて挑戦権を得た今、狙う獲物は一つだ。
「もう優勝しか狙っていませんよ。うちのチームは、どことやってもチャレンジャーだと言い続けて、一つひとつ勝ってきた。決勝で対戦する厚木なかよし(海自厚木ANFCの通称)もすごく良いチームだから、もう一度全力で行く。個人的には、1年前に決められなかったゴールの雪辱もある。全力でゴールを目指します」
 今度こそ、歴史を塗り替えるゴールを決めてみせる。

(取材・文 平野貴也)

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