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全国大会廃止の流れもある中で…本田圭佑「負けてもいいというマインドを持つ子供が増えていくのは違う」

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 MF本田圭佑が発起人となった10歳以下の子供たちによる4人制のサッカー全国大会「4v4」が本格始動した。全国各地で予選大会となるゴールドランク大会が開かれ、優勝チームはもちろん、ポイント制でも全国大会への道が開かれている「チャレンジ大会」になっている。

 少子化が進む中で、スポーツのあるべき姿が問われている。昨今叫ばれる少年期の全国大会の是非。2022年春に全日本柔道連盟が発表した小学生の全国大会の廃止は、日本中に大きな衝撃を与えた。行き過ぎた「勝利至上主義」に一石を投じたもので、議論は他競技にも広がりをみせている。

 本田自身は常々、「負けから学んだこと」の大きさを説いてきている。有名な話だが、中学までガンバ大阪の下部組織に所属したが、MF家長昭博らとの競争に敗れ、ユース昇格を逃した。本田のサッカー人生を語る上で、欠かすことのできない挫折エピソードとなっている。

 しかし決して「負けろ」と言っているわけではない。「子供の頃の勝利至上主義は否定的」と前置きした本田も「負けてもいいというマインドを持つ子供がたくさん増えていくのも違う」と強調。そして「チャンスを与え続けられる環境が最も大事なことであって、出来れば子供たちに勝ちたいと強く思ってほしい」と力説する。

 あとは子どもたちが意思を持って、考えて、実戦する。そして大人たちはその機会を与えてあげる立場に徹するということ。本田も「厳密にいえばお金もかかることなので、親御さんと二人三脚でやらないとチャレンジできないけど、何度もチャレンジできるシステムを作った。そのための全国大会なので、どんどん上を目指して、全国大会を目指してやってほしいなと思います」と望んでいた。

(取材・文 児玉幸洋)

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