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10番FW片岡「10番ではなく名前で覚えてもらえるように」。野洲は先輩MF乾のように「探究心」持って努力し、選手権へ:滋賀

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野洲高の10番FW片岡海斗主将

[5.31 総体滋賀県予選準決勝 草津東高 2-0 野洲高 布引]

 滋賀県1部リーグ戦で草津東高に大量失点を喫したこともあり、普段よりも守備意識高く試合に入った野洲高だが、差し込まれる時間帯が長くなってしまい、ボールを奪う位置も低くなってしまった。山本佳司監督が「高い位置で絡むと面白いことができる」と評する注目ルーキーMF久慈勇仁(1年)や大黒柱の10番FW片岡海斗主将(3年)がなかなかボールに絡むことができない。

 前半は0-2。シュートゼロに終わったが、それでも切れることなく、我慢強く戦い続けた野洲は後半に攻撃的な選手を加えて徐々に流れを引き寄せる。そして、終盤にスルーパスからゴール前のシーンを増やすと、アディショナルタイムには右SB村上龍星(3年)のスルーパスで抜け出した片岡が切り返しでDFを外してシュート。だが、猛然とカバーリングしてきた相手DFにブロックされて最後まで1点を奪うことができなかった。

 公式記録上のシュート数はわずか1本。時折雨が強く振る中でのゲームで攻撃の精度を上げることができなかった。片岡は「何もできなかったし、個人個人もっと成長しなければいけないと思った。自分たちがダメな部分が分かったので、もっと成長しなければいけない」と首を振る。

 そして、W杯日本代表に選出された先輩MF乾貴士らが背負ってきた伝統の10番の後継者は、「野洲の10は誰が見ても期待されると思う。10番ではなく名前で覚えてもらえるようになりたい。前やっている以上、結果、得点を一番求められると思う。もっと自分でグイグイ行けるようにしたい」と誓っていた。

 例え身体能力が高くなくても、ドリブルとショートパスによるコンビネーションと技術、判断力を磨き、ライバルたちと勝負していくのが野洲だ。頑張り、泥臭くゴールを守るという部分は着実に積み重ねてきているだけに、この日発揮できなかった部分を選手権までの半年間で地道に強化していく。

 山本監督は「人間性」「サッカーへの探究心」をより高めて行くことを求めていた。指揮官が「アイツは努力もするし、サッカーに求める」という先輩MF乾のように、各選手が貪欲に上手くなるため、強くなるために考え、努力して選手権で必ず巻き返す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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