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前橋育英では異質の強さと速さ。U-17代表候補の2年生MF小池直矢は「もっと決定的な選手になりたい」

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前橋育英高にスピードとパワーでアクセントを加える2年生MF小池直矢

 テクニカルな選手が並ぶ前橋育英高(群馬)の中では異質の存在だ。2年生MF小池直矢(ウイングスSC出身)の特長は、178cm、68kgの身体を活かした競り合いの強さと跳躍力。一本のゴールキックやロングフィードでDFに競り勝ち、チャンスを作り出す力がある。また、「(普通に走るよりも)ドリブルの方が速いかも知れないです」というスピードのあるドリブルも大きな武器だ。

「(幼い頃から)ずっとボールを触っていました。コーンドリブルとか。チャレンジして、次どうしたら上手くいくのか試行錯誤しながら練習していて。メッシ選手とか、身体の使い方が上手いアザール選手のドリブルを参考にしたりしていました」。

 身についたのは、スピードに乗ったままでも方向転換するドリブル。「くにゃくにゃというか。独特なドリブルと言われます。ドリブルの流れみたいなのがあるんですけれども、そういう流れに乗れた時はかわせていける」という武器によって、前橋育英の攻撃にアクセントを加えている。
 
 今年はプリンスリーグ開幕戦(対矢板中央高)でハットトリックの大暴れ。すると、直後のU-17日本代表候補合宿に、追加招集という形で初選出された。そこで同世代の才能たちから受けた刺激。「ファーストタッチやパススピードだったり、基礎のところが全然違っていました」。課題を改善し、神村学園高(鹿児島)のMF大迫塁(2年)やFW福田師王(2年)のように、常連になっていかなければならないと決意を新たにする経験となった。

 インターハイ予選後に膝や内転筋を負傷し、約1か月間離脱。だが、インターハイへ向けて調整してきたMFは、着実にコンディションを上げて来ている。もっと、もっと――。名門で出場機会を掴み、代表入りも経験したシーズンだが、小池は現状維持で良いとは全く考えていない。

「(エースの)笠柳(翼)君とか、色々な上手い人がもっと活躍しているので、もっとやらないといけない。自分はもっと決定的な選手になりたい。決定的なパスやシュートなど、もっとこだわっていきたい」と力を込める。

 栃木県出身だが、前橋育英は小学生時代から憧れだったという。ウイングスSC(栃木)へ進む際も「育英に行きたいです。育英に行けますか」と指導者に聞いたというほど。実際に声がかかり、迷わずに進学したタイガー軍団の次期エース候補は、この夏の活躍を誓う。

「自分のストロングドリブルや競り合いの部分を出してプロの目に留まれば。三笘(薫)選手のように、一人でも打開できて周りも使えるようなオールラウンダーになりたい」。インターハイでは決定的なプレーにこだわり、小池直矢の名を挙げ、またチャンスを掴む。

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(取材・文 吉田太郎)
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