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履正社の逸材ドリブラー、MF名願斗哉がついに全国へ。三笘薫を「超えたい」「早く全国のみんなに自分のプレーを...」

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大阪予選突破。履正社高の10番MF名願斗哉が、高校進学後初の全国舞台で大暴れする

[6.11 インターハイ大阪府予選準決勝 近大附高 0-0(PK3-5)履正社高]

 逸材ドリブラーがついに全国切符を勝ち取った。履正社高の10番MF名願斗哉(3年=ガンバ大阪ジュニアユース出身)は、昨年度の選手権予選やプレミアリーグプレー―オフで抜群の突破力と得点力を発揮。今冬にはU-17日本高校選抜の一員として強豪大学や、同年代のタレント相手にも際立つような存在感を示していた。

 この日はチームが“ゼロトップ”のシステムを採用。主戦場としてきた左サイドではなく、最前線に入った名願はボールを受けて展開することや個人、グループでの崩しなど多くの役割を担っての戦いだった。「(ゼロトップは)あまりしたことがなかった。それもサッカー選手としての材料と思って」挑戦。その中で普段のようにDFに強く当たられても、ユニフォームを引っ張られても簡単には止まらない名願は、1人、2人と剥がしてゴールに迫り続けていた。

 そして、スルーパスや奪い返しからシュート。常に複数のDFにドリブルコースを塞がれ、厳しいチェックを受けていたため、得点に絡んだり、強烈なインパクトを残したりするまでには至らなかった。強引に仕掛けてロストするシーンも。それでも、「多少マークが多くても、厳しくても、自分はできる自信がある」という10番は前半、相手の脅威になり続けていた印象だ。

 ただし、後半立ち上がりに打撲したこともあって、後半は仕掛ける回数が減少。速いテンポで味方にボールをさばくことに重きを置いていた。ドリブルに固執するのではなく、周囲を活用する判断も重要。ただし、「きょうの試合はもうちょっと積極的にゴールに向かって行けたと思うんですけれども、ちょっと消極的になりすぎていた」。また「後半になって来ると足が止まって来るので。相手も止まって来るけれど、自分も止まって来る。課題のスタミナをつけることが見えてきた」と語り、課題の改善を誓っていた。

 試合はPK戦にまでもつれ込んだが、全国大会出場を決めて目標を達成できたことに安堵の表情。G大阪ジュニアユース時代にレギュラーとして全日本ユース(U-15)選手権で優勝も、履正社進学後は全国舞台に縁がなかっただけに、「早く全国のみんなに自分のプレーを見てもらい」と気持ちを高ぶらせている。
 
 日本代表で活躍中のMF三笘薫のドリブルを彷彿させる逸材が目指すのは、オリジナルのドリブラーだ。「参考にしている選手はいなくて、尊敬とかこういうプレーヤーがいるんだなというのはあるけれど、自分は自分という考え方でやっているので、誰にも似たくないし、自分のオリジナルでやりたい。(三笘薫に)僕も似てると思うんですけれども、超えたいなと思っています」と宣言した。

 インターハイでは、この日表現できなかったゴール、アシストにこだわる。「ドリブルで抜いていくのが仕事じゃなくて、点を獲ったり、アシストをしたりゴールに直結するプレーというのを求められていると思うので、自分の中ではそういう回数をどんどん増やしていきたい」。待望の全国舞台ではこの日以上に厳しいマークを受ける可能性があるが、乗り越えて、名願斗哉の名を全国に知らしめる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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